注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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血尿とは?

血尿とは、尿に血(赤血球)が混入している状態のことを言います。血球尿とも呼び、潜血反応を調べた場合に陽性を示します。日本での健康診断における潜血陽性率は男性の場合、20代で5%、40代で6%、60代になると11%、80代では17%と加齢とともに上がってゆきます。また女性では40代で10%、60代で24%、80代だと30%と高い比率を示します。また60代以下の女性の鮮血陽性率には月経血による擬陽性も含まれています。

血尿の原因としては尿路感染症である膀胱炎や、前立腺炎、尿道炎がまず疑われます。これらが原因である血尿の場合には、排尿時に痛みを感じるので、血尿であると解る前に違和感に気が付くでしょう。

痛みを感じないのに、排泄した尿が血尿であるという場合もあります。その場合、原因としては膀胱がんや腎がん、腎盂尿管がんなどの疑いも持たれますので、痛みがないのに尿に潜血が混じっていた場合、早急に専門機関を受診することがすすめられます。

血尿には種類がある!

血尿にはいくつかの種類がありますので、これをご紹介しましょう。

肉眼的血尿

これは目で見て解る血尿で、尿に鮮血が混ざるため尿自体が赤くにごります。もっとも解りやすい状態ですが、女性の場合は、単純に月経血が混じった擬陽性の血尿であるという可能性も考えられます。

顕微鏡的血尿

血尿には尿中の血液量が少なく目に見えない場合があります。目で尿を見たときには異常が見えなくても、潜血反応に陽性が出れば血尿であるということになります。

症候性血尿

尿を排出するとき、痛みを感じるものを症候性血尿と呼びます。排尿時に尿道や腹部、または腰背部などに痛みを感じる場合はこの症候性血尿に分類されます。

無症候性血尿

これが一番厄介な血尿です。目で見える、あるいは潜血検査で陽性が出ているほかには何の痛みも症状もない血尿です。無症候性血尿の原因として代表的なものは、膀胱がん、前立腺がんなどです。このため、無症候性血尿であると判断された場合、迅速に精密検査を受けることがよいでしょう。

血尿がどのタイミングで出たかも大切!

血尿が出るタイミングが排尿のどのタイミングであるのかにも注意が必要です。それによって血尿の原因がわかることもあるからです。

尿の出始めに鮮血が尿に混じり、排尿中には正常な色の尿になる場合、場合、前立腺の付近や尿道から出血している可能性が高いと考えられます。膀胱にある尿には血が混じっていない、ということです。これらの場合には物理的に尿道が傷付いている可能性が疑われます。

排尿の序盤は通常の尿の色をしているのに、最後の方になると血が混じる場合には膀胱炎が疑われます。これは膀胱の粘膜付近に出来る血の塊のようなものが傷付き、そこから出血するからです。また、膀胱がんの可能性もありますので、油断は禁物です。

排尿しているあいだずっと尿が濁っている場合は、腎臓の疾患であるかもしれません。腎盂炎や腎臓腫瘍の疑いがあります。腎臓疾患は難しいものが多いため、このタイプの血尿には注意が必要です。膀胱炎の悪化からくる膀胱がんや尿路結石である可能性も否定は出来ません。

病気が原因の場合も!

血尿にはさまざまな原因がありますが、血尿が得た場合、他にどのような症状が出ているかで血尿の原因を探ることが出来ます。それぞれの原因と症状についてご紹介してゆきましょう。

前立腺肥大

中高年の男性ではよくある症状です。前立腺は膀胱の下にある、生殖器に分類される器官の一つで女性にはありません。前立腺肥大である場合、血尿のほか、排尿困難や頻尿がしばしば見られます。尿を出したいのに出にくい、出にくいのに頻繁に尿意を覚える、などです。

結石

膀胱や腎臓、尿管などにミネラル分から生成された結晶が生成されてしまった状態です。この結晶が尿管を傷付け、そこから出血しています。これは激しい痛みを伴います。結石のサイズが大きい場合には尿路閉塞なども引き起こす原因となります。

がん

自覚症状はほとんどありません。またがんが原因での血尿があらわれている場合、がんの症状がかなり進行している可能性があり、覚悟が必要になってくることもあります。

血尿の治療法!

血尿は血尿そのものが問題であるということはまずありません。血尿にはさまざまな原因があり、その原因に応じた治療法を行ってゆく必要があります。

血尿はその裏に体の重篤なトラブルがあることが多く、見過ごしにしていい問題ではありません。血尿が出たらまず医療機関にかかり、原因を判明させることが大切です。

その血がどこからどういう原因で出ているのかが判明すれば、おのずと対処法、治療法も見えてきます。

前立腺肥大が原因であれば、薬剤で抑えることも出来ますし、必要であれば手術することも可能です。

小さな結石であれば、水分を多量に摂取したり運動量を増やすことで、尿管からの排出を促すという方法が一般的です。薬剤を使用することもあります。自然排石に期待出来ないような大きな結石や、激しい痛みを伴う場合には手術で取り除く場合もあります。

がんについても、進行状態や部位によって適切な対処は変わっています。

その他の原因についても、専門の医療機関でしかるべき対処をとって貰うのが一番よいでしょう。