注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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いぼ痔とは?

いぼ痔とは正式名称を「痔核」といいます。男女問わず、患う人が実に多い肛門の病気の1つです。肛門部の血流が悪化することで血管が腫れてしまい、肛門にいぼのような腫れものができる病気です。

血流が悪くなってしまう原因は様々ですが、主に排便時のいきみや便秘が原因となり、肛門部に圧力がかかることで発症します。圧力や負荷がかかることで静脈がうっ血し、腫れあがることでいぼ痔を発症するのです。便秘をすると、硬い便が出ることで肛門部を傷つけてしまい、いぼ痔の原因になります。

また、同じいぼ痔でも、肛門の内部にできるものを内痔核といい、外側にできるものを外痔核といいます。どちらも同じいぼ痔ですが、できる場所が違うことから症状や痛みも異なってきます。肛門部には血管がたくさん集結していることからも、圧力や負荷の影響を受けやすく、負担がかかりやすい部位でもあるのです。主な痔は、大きくわけて3種類ありますが、その中でも1番多く見られるのがいぼ痔なのです。

何故、いぼ痔ができる?

いぼ痔は、肛門部の血流が悪くなり、血管が腫れあがることで発症します。では、どうして肛門部の血流が悪くなってしまい、血管が腫れあがるのでしょうか。

便秘や下痢

便秘になっていると、ついついトイレでいきんでしまいます。お通じがないと、無理にでも出そうとしてしまうため、トイレでいきむことで肛門部の静脈に圧力がかかり、うっ血した状態となり腫れてしまうのです。便秘により、お通じがなかなか出ないことで、トイレに長時間座りっぱなしになることもいぼ痔を発症する原因となります。下痢を起こしていても、同じです。下痢は、排泄するだけで、肛門にとても負担がかかるものなのです。

長時間の同姿勢

長時間に及ぶ同じ姿勢も肛門によくありません。それは立ちっぱなしでも、座りっぱなしでも同じです。人間は二足歩行をする生き物であることから、立っているだけで自然に肛門に負担がかかる生き物なのです。その立ちっぱなしの姿勢が続くことで、さらに負担がかかり、肛門部の静脈がうっ血されることになります。

また、座りっぱなしでも同じです。座っているのに、なぜ負担がかかるのかと疑問に思うかもしれません。ですが、座るということは、自分の体重と椅子からの圧力との両方を受けることになるのです。圧力を受けた状態で座りっぱなしでいることで、血流が悪くなってしまいます。

妊娠

妊娠すると、胎児の成長とともに子宮が大きくなるため、肛門部分や直腸あたりが否が応でも子宮に圧迫されるようになります。圧迫されることで静脈がうっ血し、いぼ痔を発症します。また、妊娠中は激しい動きを避けるため、運動不足となります。運動不足からも、血行不良が誘発されてしまうのです。そんなことから、妊婦さんでいぼ痔になってしまう人は実に多く、その半数以上が発症すると言われるほどです。

いぼ痔の症状は?

いぼ痔の症状は、できる場所によって変わってきます。内痔核と外痔核と分けて見ていきましょう。

内痔核

内痔核ができる場所は、組織に知覚神経が通っていないことから、痛みを感じることが少ないものです。そのことから、肛門から出血して初めていぼ痔に気づく人も多いものです。排便時に、便器が出血で真っ赤に染まるほど大量の出血をすることもあります。症状が進行すると、排便時にいぼが肛門の外に出てくるようになります。さらに進行すると、排便時でなくともいぼが肛門から飛び出した状態となり、炎症をおこしてしまいます。少なくとも、排便時にいぼが肛門の外に出てくるような状態になったら、病院を受診するようにしましょう。

外痔核

外痔核は、肛門と直腸の境目の入り組んだ部分より下に、いぼができるものを言います。外痔核ができる場所は、組織に知覚神経が通っていることから、強い痛みを感じます。すでに肛門の外側にできていることから、自分の指で触って確認ができるものです。外側にできていることから、常に外気にさらされ、細菌に感染する機会も多いことから、炎症が悪化しやすい状態です。ひどくなると急性の炎症を起こし、いぼが大きく腫れあがり、血栓ができます。そうなると、激しい痛みを伴うようになります。

どうやって対処すればよいの?

いぼ痔の対処法は、軽度であれば軟膏などの塗り薬で改善することもあります。市場では、痔に特化した軟膏や薬品がたくさん開発され、販売されています。軽度のうちにこれらの軟膏で改善をはかってみるのもいいでしょう。

また、それに合わせて、生活習慣の見直しも重要です。特に辛い食べ物やアルコールは、肛門に負担がかかると言われます。辛い物や、香辛料、アルコールの過剰摂取を控えるようにしましょう。

症状が進行し、悪化してくると自己対策だけでは対応しきれなくなります。放置しておいても悪化する一方で、いずれは日常生活に支障をきたすようになります。症状がそこまでくると、手術が必要になってくるのです。

痔核に血液を送っている血管を糸で縛ってから、痔核を切除する方法が一般的に多く見られる手術方法です。痔核を根元から切除することが可能なため、比較的完治しやすい手術方法と言われ、日帰り手術も可能となっています。肛門は、特に女性にとっては恥ずかしい部位であることから、病院への足が遠のくものです。ですが、我慢していても改善されることは決してありません。早めの対策を心がけましょう。

妊娠している場合はどうすれば良い?

妊婦さんの場合、大きくなってくる子宮により肛門部分や、直腸が圧迫されることから静脈もうっ血しやすい状態になります。そのせいから、妊婦さんは痔を患いやすく、切れ痔やいぼ痔を多く発症するものです。出産することで子宮からの圧迫もなくなるため、産後落ち着く傾向にありますが、妊娠中にひどくなるようであれば、何らかの対処が必要です。

軽度であれば、一般的には塗り薬などの軟膏で対応しますが、妊婦さんに処方する薬は気をつけなくてはいけません。軟膏ならば、皮膚に塗る薬なので、さほど神経質にならなくてもいいものです。ですが、できるだけ「ステロイド」が入ったものは胎児への影響も考えて、避けた方がいいでしょう。

座薬などを使用する場合も同じです。自分で判断するのではなく、産婦人科や肛門科などの専門の医師に相談してから、対応策を考えるようにしましょう。

また、妊娠中は便秘にもなりやすいものです。便秘を改善することで痔も改善されます。便秘になっている場合は、食生活などから改善する方法も探してみましょう。