かかると仕事に影響が!メンタルの病気・自立神経失調症を徹底解説
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自律神経失調症とは?
自立神経失調症とは、体内の全てのバランスをコントロールしている自立神経が乱れることによって起こる症状をひとまとめにした病気のことです。自立神経失調症にかかると大した病気にもかかっていないのに頭痛や動悸、それから下痢、血圧の乱れなどあらゆる身体症状や、イライラや緊張などといった軽いメンタル的な症状があらわれ、日常生活の活動に影響を及ぼします。
自立神経失調症の原因は、人間関係や仕事のプレッシャーによるストレス、それから生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れにあるとされており、これらによって体内をコントロールする自立神経が上手に動かなくなると、結果的に引き起こされてしまうのです。
ただ、これらの原因からは生きている限り避けられないので、早期発見・早期治療をして、本人の苦しみや不利益(主に仕事・学業)をいかに減らし、また周りの人の異変に気づく力や人間としての温かさが自立神経失調症を治療し、そして(人によっては)上手に社会復帰できるかの鍵となります。
自律神経失調症かをチェック!
自立神経失調症かどうかをチェックするには、以前はなかった体の異変がどれだけ起きているかがポイントになります。自立神経失調症になると、このような症状が出ます。
身体的な症状
- 耳鳴り
- 心臓が締め付けられる感じがする
- 動悸
- 息切れしやすくなる
- 食欲がなくなる
- 胃の具合が悪い
- 下痢・便秘が増えた
- 足や腕がだるい
- 頭痛がする
- ときどき気を失いそうになる
- 汗が増えた、減った
- 疲れやすくなる
メンタル的な症状
- イライラしやすくなった
- 集中力が減った
- 不安を感じやすくなった
- 焦りやすくなった
ただ、自己診断で自立神経失調症を判断してはいけません。チェックリストで当てはまる項目が多く気になる人や、「自分は自立神経失調症以外の重大な病気なのでは」と心配する人は、無駄な心配をしないためにも病院で医師の診断を仰いできちんとした診断をもらうべきです。また、チェックリストで当てはまる項目が1つでもあった人は医師から「自立神経失調症ではない」と言われても、ゆったりとした生活を送るよう心がけた方がいいでしょう。
自律神経失調症を改善するには?
自立神経失調症を改善させるには、体にかかる負担を極力減らし、健康的な生活をすることが近道です。一応病院では薬物療法(主に抗不安薬、睡眠導入剤)や心理療法(認知療法、カウンセリングなど)、それから理学療法(鍼、マッサージなど)を用いて自立神経失調症を改善しますが、日常生活でも有酸素運動を習慣化したり、入浴をきちんとしたり、ストレスをきっちり発散したり、安眠を心がけましょう。
また漢方で治療する…という治療法もあります。漢方は効果の実感までに時間がかかりますが、向精神薬に比べると副作用が少なく、健康的に治療できます。東洋医学では自立神経失調症を「気」が乱れている状態と認識し、気の流れを良くしたり、代謝をうながす漢方が用いられます。
漢方は自分でも買えますが「虚証」と呼ばれるおしとやかなタイプと「実証」と呼ばれるハキハキとしたタイプでは、効果的な漢方が違います。タイプの判定をするためにも、漢方を処方するときも専門医のところに行くべきです。
自律神経失調症は何科に行けば良い?
自立神経失調症は心療内科(精神科)の病気ですが、他の病気の可能性もなくありません。ですから、吐き気やだるさが気になる人は内科に、頭痛や不眠、のぼせが気になる人は婦人科にまずかかりましょう。内科や婦人科で見ても何もなかった場合、心療内科(精神科)への案内状を担当医が書いてくれるはずです。
もちろんメンタル的な症状が気になる人は、最初から心療内科(精神科)で詳しい診察を受けるべきですし、パーキンソン病や自律神経ニューロパチーなどといった神経系の病気にかかっていて、なおかつ自立神経失調症っぽいと感じる人は神経科にかかった方がいいでしょう。そういった病気が原因で自立神経失調症になっているかもしれません。
自立神経失調症だからって、心療内科に行けば良いと一概には言えません。心療内科は不定愁訴(ふていしゅうそ)的な病気を扱うため、特に自立神経失調症のような体の症状もメンタル的な症状も出る病気の場合、「たらい回しにされた患者が最後に行く場所」という認識が医療業界にはあります。
初めに質の悪い心療内科にかかってしまったら「本当は他の重大な病気が隠れていたのに、自立神経失調症と診断され後回しにされた」なんてことが起こるかもしれません。最初にかかる科は慎重に選んで下さい。
自律神経症は早めのケアが大事!
自立神経失調症は早期発見・早期治療が大切な病気です。自立神経失調症にかかると、人によっては今やっているお仕事を変えたり、勤務時間を変えたりしなければなりません。ただ、自立神経失調症が早い段階で見つかれば、薬と心理療法、それからプライベートの過ごし方を変えるだけで治療するかもしれませんし、学生の場合は学業に影響を及ばさずに治療できるかもしれません。
一方、自立神経失調症の発見が遅ければ遅いほど、人によっては休職の必要性が出たり、転職・退職の必要性が出て、確実に被る「そんなつもりじゃなかった」ことが増えます。自立神経失調症を早く見つけるには、本人の体調に敏感になる気持ちだけではなく、周りの人の観察の目も必要です。
どんな環境であろうと発症しうる自立神経失調症。今や他人事の病気ではありません。しっかり自分に気遣うのはもちろんのこと、周りの人も自立神経失調症の症状を頭に入れて、どこか不調が多いなと思ったら、声をかけましょう。