アダルトチルドレンってなに?原因や治療法はどんなものがあるの?
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アダルトチルドレンって?
アダルトチルドレンとは、幼少期に主に親から受けたトラウマによって、その傷が癒されることなく大人になっても生活に支障をきたしてしまっている成人や、その症状のことを指します。
例えば、親の言うことを聞かないと殴られるといった虐待を受けて育った人が、「常に周りの顔色をうかがいながら生活している」というようなケースが当てはまります。
その後の環境の変化などで改善され克服するケースもある一方で、そのまま傷を癒してもらったり、克服する機会がないまま成人してしまった場合、アダルトチルドレンとなります。
アダルトチルドレンとは、もともとアメリカで「アルコール依存症の親から育てられた子供」という意味で広まった言葉ですが、今では、「機能不全な家族のもとで育った子供」という意味になり、その症状は様々となっています。
アダルトチルドレンという言葉自体は、医学的な病名ではありませんが、育ってきた環境から成人になった今でも悩みを抱える人のことやその症状の総称を指します。
アダルトチルドレンの原因って?
アダルトチルドレンになる原因は人によって様々です。 十人いれば十通りのパターンがあるともいえますが、以下のような内容が多くなっています。
身体的虐待
身体的虐待は、理由があるなしに関わらず、親が子供に暴力をふるうことです。
性的虐待
特に多いのは、異性側の親や、再婚相手などから性的な虐待を受けるパターンです。これが原因で、男性恐怖症になる女性も少なくありません。
精神的虐待
親から受ける言葉の虐待や、父親が母親に暴力をふるうところを目の当たりにするといったことが当てはまります。直接的に自分に身体的虐待が無くても、父親が母親に暴力をふるっているところを見るなどということは子供の胸に深い傷を負わせ、精神的虐待となります。
ネグレクト
親が子供を放置する、育児を完全に放棄している状態のことを言います。たとえ祖母や祖父が見かねてきちんと身の回りの世話やごはんを与えてくれていたとしても、自分の親から育児を放棄された子供は心に深い傷を負うことになります。
アダルトチルドレンの特徴って?
では、アダルトチルドレンと呼ばれる状態には、どのような特徴があるのでしょうか。代表的な特徴をまとめました。
人からの愛情をなかなか感じられない
成人し、恋人ができてもすぐに不安になってしまったり、周りから見たら十分なほど愛情を注いでもらっていても、それを十分に感じ取ることができないというケースです。
親を恨んでいる
ある程度年齢を重ねると、自分の家庭は異常だと気付く人がほとんどです。「本来親は、子供を愛し守ってくれる存在なのだ」と知ったときに、親に恨みの気持ちを持つことがあります。
自分に自信がない、自尊心がない
精神的な虐待を受けてきた人に特に多いのが、自尊心がないということです。何をやっても「どうせ自分なんて」と考え、「生きている意味が分からない」とまで思うこともあります。
「愛されたい」という欲望が過剰に表れる
子供のころ満たされなかった「愛されたい」という欲望が、大人になって爆発してしまうパターンです。
アダルトチルドレンの症状は?
アダルトチルドレンと呼ばれる人達に見られる症状は、人それぞれ個人差はありますが、共通しているものもあります。代表的な症状を具体的に紹介させていただきます。
常に自分に自信を持てず、人に合わせる
身体的虐待を受けてきた人などは特に、人の顔色を見て生活することが癖になってしまっているため、自分の意見があっても友人や同僚に言い出したりすることができず、人に合わせてしまう傾向にあります。
なぜか親と同じ道を歩もうとする
例えば、自分が女性で、父親に暴力を振るわれてきたとして、なぜか親と同じように暴力をふるうような男性を好んでしまうというような傾向があります。心では、「自分は将来過程を持ったとき、自分の子供のころのような家庭にはしたくない」と思いながらも、現実は逆の選択をしていることが多くあります。
適度な愛情と執着や依存の見分けがつかない
結婚相手など、自分が一番心を開いている人に対し、愛情不足だったことが原因で異常なほどの甘えが爆発することがあります。その結果、相手への愛情が強い執着心に代わっていたり、依存してしまうという症状が多く見られます。
アダルトチルドレンの治療方法
アダルトチルドレンは、その原因別に治療方法が分かれます。 場合によっては、アダルトチルドレンであるがゆえにうつ病やパニック障害などを併発した場合には投薬治療を行う場合もあります。
まずは、心療内科でカウンセリングを
子供のころに満たされなかった思いを、誰かに受け止めてもらうことだけでも大きな第一歩になります。何年もの間、自分の心の中だけに閉じ込めていた感情を開放することは、決して恥ずかしいことではありませんし、勇気のいることですが、この一歩が治療の一歩となります。
トラウマになっている過去と向き合う
自分の無理のない範囲に、トラウマになっている過去と向き合ってみることも治療の一つです。ただし、心が完全に拒否をしているのに無理にする必要はありません。
その時が来るのを待つのが望ましいです。例えば、末っ子として生まれて、愛情をあまり注いでもらえなかったと嘆きアダルトチルドレンになった人が、親になって親の大変さが分かり、急に親と分かり合えたという例も少なくありません。
自分を肯定的に見る
自分に好意をもってくれる人がいれば尚更スムーズに進みやすいですが、自分を肯定的に見るようにしましょう。それによって、今まで親から否定されてきたことにも少しずつ自信を持つことができるようになります。
症状によって治療方法はそれぞれありますので、一度カウンセリングなどで自分に合った治療方法を探すことをおすすめします。