注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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そもそも陣痛とは?

お産の時に子宮は、赤ん坊を外へ押し出すために規則的な収縮を繰り返します。そして子宮が収縮する感覚は自分でハッキリと感じることができます。陣痛とはこの収縮によって引き起こされる痛みのことをいいます。

なぜ陣痛が起きるのか、その仕組みはまだ明確に分かっていません。子宮内にいる赤ん坊の位置が下がるでことで子宮の収縮を促すホルモンのオキシトシンが分泌されたり、妊娠40週目あたりに胎盤が寿命を迎えることで妊娠を維持する黄体ホルモンが減少することが原因ではないかと考えられています。

そして出産時に起きる「本陣痛」の前には、「前駆陣痛」という症状が現れて不規則な弱い痛みを感じます。その後に本陣痛が始まると、痛みは規則的なものに変わっていきます。その間隔が徐々に狭まっていくほど出産が近づきます。本陣痛の痛みには個人差がありまが、通常は本陣痛が始まるとその痛みが徐々に増していき、出産の際には「麻酔なしの手術」「男性は耐えられない」と例えられるほどの強い痛みに変わります。

陣痛が始まりやすいタイミング、時間はある?

妊娠36週〜40週目あたりの臨月に入ると、本陣痛の予行演習とも呼ばれる前駆陣痛という症状が現れます。子宮を収縮させて子宮下部や子宮頸管を柔らかくすることで、本陣痛へむけて身体を整える準備のような症状です。通常は痛みが小さく、その症状は生理痛や便秘に例えられます。また本陣痛と違って前駆陣痛の痛みは不規則な間隔で起きることが特徴です。

そして、この前駆陣痛が起きたあとで本陣痛が始まります。しかし、前駆陣痛のあとに本陣痛が始まるまでの期間には個人差があります。すぐに本陣痛が始まる場合もあれば、前駆陣痛の症状が現れてから1週間ほど経過してから本陣痛が始まる場合もあります。

前駆陣痛は大きな痛みなどの目立った症状を伴わないため、小さな違和感を感じる程度で気付かず、そのまま突然本陣痛が始まって驚く場合もあります。そのため、臨月に入ったら些細な体調の変化を見逃さないように注意することが大切です。そして、本陣痛が起きやすい時間帯が午後6時から午前6時です。その中でもとくに本陣痛が起きやすいといわれる時間帯が、午前1時〜午前5時の間です。

陣痛の兆候

臨月になると、前駆陣痛の症状が現れて、不規則に生理痛と似た弱い痛みを感じます。また前駆陣痛が起こす頻繁な子宮の収縮によって、お腹に張りを感じます。さらに分娩へ向けて子宮内の赤ん坊の位置が下がっていくことで、お腹の膨らみの位置も下がります。へそより下が膨らんできたら本陣痛が近い兆候と考えられます。

また、赤ん坊の位置が下がることで胃の圧迫感が無くなり、食欲が増加します。そして位置が下がった赤ん坊は骨盤のなかにおさまって自由に動けなくなります。その結果、赤ん坊の頭や手足が子宮にぶつかることで起きる「胎動」の数が減少して、その感覚も弱くなります。

そして本陣痛が起きる数日から一週間ほど前になると、ピンク色をしたおりものの一種が出ます。一般的に「おしるし」、医学用語では「産徴」と呼ばれるものです。出産が近づいて広がりはじめた子宮口が収縮すると、子宮口にある粘液栓と呼ばれる蓋状のものが剥がれ落ちます。このゼリー状の物質に子宮頸管の粘膜や、赤ん坊を包む卵膜という袋が剥がれた際に流れる血液が混じったものがおしるしです。このおしるしを確認したら、本陣痛が間近だと考えて間違いありません。個人差はありますが、おしるしの後2〜3日以内に本陣痛が始まります。

前駆陣痛から本陣痛、出産までの流れ

前駆陣痛の症状が続く期間には個人差があります。前駆陣痛の症状を感じないで本陣痛が始まる場合もあれば、本陣痛が始まるまで2〜3週間にわたり前駆陣痛が続く場合もあります。しかし通常は、前駆陣痛が始まってから数日から1週間程度で本陣痛が始まります。

本陣痛には3つの段階があり、最初の段階を「分娩第1期(開口期)」と呼びます。10分ごとの規則的な痛みが開始してから、子宮口が全開大の10cmになり産道が形成されるまでの時期を指します。その平均時間は、初産婦(初の出産)の場合は10〜12時間程度、経産婦(出産経験あり)の場合は4〜8時間程度です。そして通常は子宮口が全開大になった時に破水が起きます。

次に子宮口が全開大になってから赤ん坊が生まれるまでを「分娩第二期」と呼びます。分娩第一期の終わり頃から骨盤の出口付近に赤ん坊の頭があることで、神経が刺激されていきみたい気持ちになります。しかし子宮口が開ききらない常態でいきむと、大きな出血が起きたり赤ん坊が圧迫されて苦しむことに繋がります。そのため分娩第一期ではいきむことの我慢を強いられますが、分娩第二期に入ると助産婦の指示のもといきむことが許可されます。しかし、いきんですぐに産まれることは殆どなく、初産婦の場合は2〜3時間、経産婦の場合は1〜1時間半程度の時間がかかって赤ん坊が産まれます。

そして赤ん坊が産まれてから胎盤が出るまでの間を「分娩第三期」と呼びます。自然な晩出を待つ場合は10分から1時間程度、意思がへその緒を引いて胎盤を取り出す場合には数分から30分程度の時間がかかります。これを後産と呼びますが、出産の場合にくらべて感じる痛みは小さなものです。

陣痛を和らげる方法は?

陣痛を和らげる方法として、最も有名なものが「ラマーズ法」と呼ばれる呼吸法です。陣痛開始の時点では「ヒー、フー」とゆっくり呼吸をして、その痛みが激しさを増したところで「ヒッ、ヒッ、フー」という呼吸にかえます。次に分娩第二期に入って子宮口が全開大になり、医師からいきむように指示が出た段階で「フー、ウン」と呼吸します。その後、赤ん坊の頭が出てきたところで「フー、フー」と楽な呼吸をします。

そして座禅とヨガが融合した「ソフロロジー呼吸法」という方法あります。陣痛の痛みが増してきた時に、産まれてくる赤ん坊をイメージしながらヨガの腹式呼吸のようにゆっくりと息を吐き出して、すぐに息を吸う呼吸法を繰り返します。こうすることで身体がリラックスして産道が緩み、出産がスムーズに行われます。

また、腰やお腹まわりをカイロや湯たんぽなどで温めることでも、筋肉がほぐれて陣痛の痛みが和らぎます。その他には、四つん這いのポーズをとったり横になるなど楽な姿勢を見つけることでも、陣痛の痛みを逃がすことができます。