注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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お産までの流れって?!

お産が近くなると、お腹が頻繁に張るようになります。これはお産に向けて子宮が収縮するために起こるもので、この収縮によって赤ちゃんと羊水を含んでいる卵胞と子宮壁のあいだにずれができ、出血することがあります。薄いピンク色のおりものがあったら、赤ちゃんを包んだ卵膜が少しずつ動いたしるしなのです。これをお産の前兆として「おしるし」と呼んでいます。陣痛が始まる前におしるしが起こることもありますし、起こらないこともあります。おしるしが起きたら両日中に陣痛が始まることが多いようですが、一週間近く経過してから陣痛が始まったというケースもあります。

おしるしの後は陣痛、破水と出産に向かって行きますが、おしるしがなく突然陣痛や破水から始まる妊婦さんもいます。もし10分から15分おきに規則的な下腹部の痛みがあったら出産間近のサインです。破水の場合は感染症の危険があるので、陣痛の場合でも破水の場合でもただちに産婦人科に向かいましょう。

分娩第一期の準備期

出産は分娩第一期、二期、三期と大きく3つの時期にわけられています。分娩第一期はさらに準備期、進行期、極期と分けられます。

分娩第一期の準備期では、陣痛は5分から10分間隔、子宮口は0~3センチ程度開いています。痛みは感じるものの、まだ余裕のある時期です。お産に備えて食事をとったり、破水していなければシャワーをあびることもできます。

進行期では陣痛は3分から5分間隔になり、子宮口は4~7センチになります。痛みの感覚は短くなり、痛みの程度も強くなってきます。深呼吸したり、湯たんぽを当てるなどして痛みを逃しましょう。

極期になると2~3分間隔で子宮口は8~10センチになります。痛みはより強いものになります。いきみたくなりますが、この段階ではまだ我慢です。この時期はまだ子宮口が十分に開いていないので、子宮頸管が避ける、赤ちゃんが十分な酸素を取り込めず低酸素になりやすいなどの悪影響に繋がる場合もあります。肛門あたりをテニスボールや握りこぶしで圧迫すると楽になります。

分娩第二期

分娩第二期になると、陣痛は1~2分間書くになり、子宮口は全開になります。痛みは最大になり、いよいよ分娩になります。医師の指示に従いながら、強い痛みが合ったらいきみ始めます。何度もいきんでいると、徐々に赤ちゃんが下がっていき、ついに出産となります。出産した後はへその緒を切り、様々な処置を行います。

この時にぜひ行っておきたいのがカンガルーケア。分娩後母親の胸の上で赤ちゃんを抱っこし、暫くの間一緒に過ごすことを言います。このカンガルーケアは1979年南米コロンビアで新生児を担当していた小児科医によって始まったものです。当時コロンビアでは経済危機のために、病院では保育器も不足する状態でした。そこで保育器の代わりにと母親の腕に抱かせるようになると、母子の愛着形成や赤ちゃんの身心の安定につながるなど様々なよい効果が見られました。その後日本でも取り入れられるようになり、出産後の母子への主要なケアとして広まるようになりました。

分娩第三期

分娩第三期では赤ちゃんが誕生し、痛みはなくなります。その後胎盤が剥がれるので、軽い陣痛のような痛みがありますが、さほどではありません。胎盤は早い人で赤ちゃんが生まれてすぐ、遅い人では15~30分程度で出てきます。

こうした出産後の痛みは後陣痛と言って、産後に子宮収縮が不規則に起こることで下腹部に痛みが感じられることがあります。妊娠で大きくなった子宮を小さくして妊娠前の状態にするために起きるもので、特に出産直後は胎盤が剥がれた部分からの出血を止めるために子宮を収縮させて血管を縮めて止血する必要があり、とても重要な役割を果たしています。後陣痛の痛みは2~3日で収まるのが一般的ですが、人によっては一ヶ月続くこともあるようです。また赤ちゃんに母乳を与える時に出るオキシトシンというホルモンは子宮収縮を促す働きがあるので、授乳中には後陣痛の痛みが増すこともあります。赤ちゃんにたくさん母乳を飲んでもらうと体の回復が早まると言われているのはこのためです。

悪露って?

またこうした子宮収縮が進んでいるしるしとして悪露があります。悪露とは出産後一ヶ月近く続く出血のことで、産後一週間ぐらいの間は量も多く、色も濃い赤色をしています。その後産後1週間ほどすれば血の色はほとんどなくなり、その後は体液などが中心で黄色っぽい色になり、最終的には白になります。

悪露は時間の経過とともに少なくなっていきますが、悪露の量が増えてくるようなら、別の原因で出産している可能性も考えられます。もし悪露が増えているようだったら必ず産婦人科を受信してください。また帝王切開後の場合は悪露が長引きやすく、二ヶ月近く続くこともあります。それでも悪露は徐々に減っていくものなので、どんな場合でも悪露が増えるのは何らかのトラブルの可能性があると考えて対処しましょう。

また悪露が出ている間は「産褥ショーツ」や「産褥パッド」が必要になります。産褥ショーツは股の部分がマジックテープなどで開くようにできているもので、診察の際などに便利です。また産褥パッドは生理ナプキンに似ていますが、おむつに近い大きさなので量の多い悪露にも対応できます。