注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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着床出血とは?

着床出血とは正式名称が月経様出血といい、最後の生理のあとに受精・着床(つまり妊娠が成立)することで起こる出血のことです。妊娠超初期の段階で起こる現象のため妊娠に気付く兆候の一つとされています。しかし着床出血は生理予定日頃に起こることから生理の際の出血と見分けることが非常に困難なため、着床出血だけを見て妊娠していると認識できる方は多くありません。

そもそも着床出血が起こる原因として、受精卵による組織融解が挙げられます。受精卵が子宮内に着床するときに子宮内膜を溶かして深く侵入するのですが、同時に子宮内膜に通っている血管も溶かしてしまうのです。その溶かされた血管から血液が子宮内に漏れて外に排出される現象が着床出血なのです。

また女性ホルモンの影響で着床出血が起こる場合もあります。妊娠した際に出てくるhCG(絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの分泌量が少ない場合に生理を止める働きかけも弱まってしまうため、一時的に生理とまではいかない少量の出血が起こってしまいます。これが着床出血になるのです。

なお着床出血は妊娠した方に必ずしも起こるものではなく、着床出血する人の割合は約2%と少ないのです。したがって着床出血がないからといって妊娠していないとは言えませんのでご注意ください。

着床出血と生理との違いって?

着床出血は生理予定日頃に起こることが多いことから生理と見分けることが困難と先程ご説明しました。しかし着床出血には生理と見分けることができる特徴もありますので、ご説明します。なおこれらの特徴は全て個人差がありますので、あくまで目安と考えてください。

期間の違い

着床出血の期間の目安は2〜3日といわれており、生理より短いのがほとんどです。ただし着床出血が起こった理由が女性ホルモンの影響だった場合は、ホルモンバランスが崩れている影響で不正出血が起こりやすくなるため、着床出血の期間が長引くこともあります。

出血量の違い

着床出血による出血量は生理と比べて少量であることがほとんどです。出血と認識するよりも、おりものに少し血の色がついているというイメージが近いかもしれません。ただ個人差がありますので、通常の生理と同じくらいの出血量である可能性もありますのでご注意ください。

色の違い

着床出血の色は鮮血のような真っ赤であることが多いようです。ただし子宮の内膜やおりものと混ざった場合は色が薄まって見えることもあります。しかし、個人差も大きく色で判別するのは難しいようです。

最大の違いは基礎体温!

先程通常の生理と着床出血を見分ける特徴をご説明しましたが、一番大きな違いは基礎体温の変化です。女性の体温は実は一定ではなく、生理の周期によって体温は上がったり下がったりするのです。

まず生理が始まってから排卵日までは低温期と呼ばれ、体温は低い状態になります。逆に排卵日から生理が始まるまでは黄体ホルモンと呼ばれる女性ホルモンが分泌されるため体温が上昇します。この期間を高温期といいます。妊娠していない場合は、生理が始まるまでは高温期、生理が始まってからは低温期となるので、出血の後は体温が下がっていきます。しかし妊娠している場合は黄体ホルモンが分泌され続けるため、出血の後も高温期が続きます。したがってもし出血時の基礎体温が下がっていたらその出血は生理によるものである可能性が高く、高温期が2週間以上続いていたら着床出血の可能性が高いのです。

この基礎体温の差が、着床出血か生理による出血かを見分ける最大の特徴となりますので、ぜひ覚えておいてください。

着床出血はいつから?

一般的に生理は28日周期といわれており、排卵日は最後の生理から約14日後となります。そこで受精が成立しても受精卵が子宮に向かい着床するまで約7日かかります。したがって着床出血は最後の生理から21日後、つまり次の生理予定日の1週間前から生理予定日の時期に起こることが多いといわれています。

なお生理が乱れがちな人もいらっしゃいますので、この時期はあくまで目安です。中には生理予定日を過ぎてから着床出血があったという例もあります。

着床出血は生理的な現象のため健康などに影響はありませんが、目安とされている時期から大きく遅れて出血があった場合は、着床出血ではなく妊娠初期の不正出血の可能性があるため注意が必要です。妊娠中は子宮の出口が弱っており、少しの刺激でもすぐに出血してしまう状態となっています。物理的な刺激などで出血した可能性が高いので特に心配はない場合が多いのですが、まれに切迫流産などの可能性もありますので、不正出血だと疑われる場合は産婦人科で診察してもらうことをおすすめします。

着床出血の症状は?

着床出血の際には痛みが発生する場合があり、着床痛と呼ばれています。これは受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる痛みで子宮付近がチクチク痛むという症状です。ただし生理痛の症状と似ていることから、生理痛と着床痛を見分けることは難しいといわれています。また着床痛を感じない人もいますので、着床出血とともに痛みがあるかどうかで妊娠を判断することは避けましょう。

また着床痛のその他の症状として、体が熱く感じる、胸が痛む、吐き気、下痢などが発生する可能性があります。体が熱く感じるのは高温期が続いているため、消化器官に影響が出ているのは子宮と接しておりホルモンの影響で収縮するためです。

ただし腹痛がひどい、あるいは長引く場合は化学流産の可能性もあるため注意が必要です。化学流産とは着床が続かずに受精卵が出血とともに体外に排出されてしまうことを指し、妊娠検査薬で妊娠反応があった後でも起こるものです。なお妊娠検査薬を使用せずに自分が妊娠していることを認識していない人が化学流産をしても、生理と区別がつかないため流産したことを気付かないままの人が多いようです。腹痛があまりにひどい場合や、期間が長い場合はすぐに産婦人科で診断してもらうことをおすすめします。

着床出血かな?と思ったら

自己判断はなかなか難しいようですが、「もしかしたら着床出血かも?」と思った場合はどうすれば良いのでしょうか。

病院へ

自己判断は難しいですから、まずは医療機関で診断してもらうようにしましょう。思い込みも禁物ですが、可能性がある場合は早めに医療機関で正しい判断をしてもらいましょう。

禁煙する

医療機関で診断をもらうまでは、もしかしたら妊娠している可能性があります。タバコを吸っている人は、禁煙しましょう。流産や早産をおこす確率が高くなってしまいますので、禁物です。

禁酒する

同じく、お酒も妊娠中には禁物です。アルコールは胎児にとって悪影響を及ぼします。妊娠中の飲酒は、胎児性アルコール症候群を引き起こしてしまいます。低体重、低身長、発達障害など胎児に大きな影響を及ぼしてしまいます。