注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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カロナールでインフルエンザは治るの?

結論から言いますとカロナールでインフルエンザは治りません。カロナールは解熱剤です。そもそもインフルエンザに罹った時の高熱は、ウイルスと戦うための体の防御反応なのです。なのでむやみに熱を下げることはよくありません。

しかし、高熱で疲れ切って食事どころか水分を摂るのもやっとだったり、睡眠もままならない時には一時的に熱を下げて休ませる必要があります。そこでカロナールを用いて数時間だけ熱を下げて、その間に食事を摂ったり睡眠を取ったりして体を休ませるのです。そうすればまたインフルエンザウイルスと戦う体力が復活し、早く治るわけです。カロナールでインフルエンザは治りませんが、治るきっかけを与える薬だと言うことができるのです。

なぜインフルエンザの時はカロナールが処方されるのか

解熱剤にはさまざまな種類がありますが、なぜインフルエンザの解熱剤としてカロナールが処方されることが多いのでしょうか。これはインフルエンザの際の解熱剤としてアスピリン(バファリンなど)、メフェナム酸(ポンタールなど)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレンなど)、ロキソプロフェン(ロキソニンなど)を投与した場合、インフルエンザ脳症を引き起こしたりまた重症化することが分かってきたからです。

これに対しアセトアミノフェンであるカロナールをはじめ、アンビバ座薬やアルピニー座薬はインフルエンザであっても安全に使用できることが分かっているためです。特に子供へのインフルエンザの解熱剤としてはアセトアミノフェン一択であると言えます。子供にも安全に使用できるカロナールがインフルエンザの解熱剤として使われる理由がここにあるのです。

カロナールってどんな薬?

カロナールはアセトアミノフェンを主成分とする解熱鎮痛剤です。このアセトアミノフェンは抗炎症作用をほとんど持っておらず、そのため胃への障害がほとんどありません。これは一般的に用いられる解熱鎮痛剤であるアスピリンやロキソプロフェンにはない安全性です。子供にも処方される比較的安全性の高い鎮痛剤です。

また興奮したり眠気に襲われると言ったことも無く、依存症等の問題も全くないという安全性を備えています。ただしお酒と一緒に服用すると肝臓への障害が出るため、アルコール服用時は避けなければいけません。解熱剤として処方されるほか、関節炎や痛風、歯痛、頭痛から神経痛や筋肉痛、生理痛などにも使用されます。このようにアセトアミノフェン安全性が高い薬で、これを主成分とするカロナールの安全性もこれでお分かりいただけたでしょう。

ただし他の鎮痛解熱剤と違い効き目が穏やかです。このために処方された以上の量を服用しがちですがそれはやめましょう。安全と言われるカロナールですが、やはり決まった用法容量は厳守すべきです。

妊婦や授乳中のお母さんとカロナール

妊婦さんや授乳中のお母さんは胎児やお子さんへの感染を考えて、できるだけインフルエンザに罹らないよう注意をすることは当然ですが、予防しきれず罹ってしまうことは当然あります。インフルエンザによる高熱を下げるためにカロナールを使用することは大丈夫なのでしょうか。

授乳中のお母さんのカロナール服用は問題ないと言われています。でも気になるお母さんも多いことでしょう。そこでカロナールの血中濃度がかなり減る4時間後、または授乳の後にカロナールを服用すれば安心できます。ただし妊婦さんのうち妊娠後期の方の場合は、カロナールの摂取によって胎児に動脈管収縮を起こす恐れがあると使用上の注意が改訂されています。以前は妊婦さんにも安全であると処方されていただけに、注意が必要となっています。

インフルエンザ以外にも効果がある

カロナールは、生理痛、頭痛、歯痛、風邪を引いたときの解熱剤としても使用されているそうです。カロナールが、生理痛、頭痛、歯痛などの痛みや熱に対しても効果があるのは、脳において痛覚閾値(痛みの感じにくさ)を高めること、体温調節の中枢に作用して、皮膚の血管を拡張して体温を下げるためと考えられています。

引用元:第十六改正日本薬局方解説書(廣川書店):C-116~120(2011)

カロナールの服用方法と間隔

基本的に食後に服用することが望ましいですが、インフルエンザの高熱で食事もままならない場合は頓服として服用してください。ただしその場合でも水また白湯をしっかりと飲んでください。カロナールは胃へ負担が少ないお薬ではありますが、食後に飲むことで胃を保護する意味は大きいと言えます。

カロナールは服用後15分から60分くらいで効果が出ると言われていて、大半の人は30分くらいで効果が表れます。また持続時間は2時間から6時間と言われていて、2時間半ほどで血中濃度は半減し4時間程度で1/3程度に減少します。なので続けて飲む場合でも4時間ほど開ければ問題ありません。1日に3回4時間ごとの服用で継続的な解熱効果を求める事ができます。

カロナールの1回の服用量

カロナールは処方された通りに服用することが最も安全で効果が高いのですが、その目安を見ていきましょう。鎮痛効果としては1回に300~1000mgで4~6時間間隔、1日に服用しても良い最大量は4000㎎となっています。

これに対し解熱効果としては1回300~500mgで4~6時間間隔、原則1日に2回までで1日の最大量は1500mgとなっています。200mgの錠剤を処方されることが多いと思われますので1回2錠までで原則1日2回ですが、それを超えても1日7錠までとしてください。

子供の場合は体重1kgあたり1回10~15mgの服用となります。体重20kgならば1回に200~300mgですから1錠以上は服用させてはいけません。また1日の最大量は体重1kgあたり60mgとなっています。体重20kgのお子さんは1200㎎までですから、6錠以下に抑えなければいけません。

カロナールの副作用

カロナールは安全性が高いお薬と言われていますが、副作用はないのでしょうか。吐き気や腹痛、下痢、発疹などの副作用が主なものとして列挙されていますが、胃痛や胃が荒れると言った症状は他の鎮痛解熱剤と違い起こりにくいとされています。重篤な副作用としてはアナフィラキシーショックや肝機能障害などが挙げられています日頃からアルコールをたくさん摂取している人は、カロナールの服用による肝機能の低下には特に注意が必要です。

また喘息発作を誘発する点にも注意が必要です。カロナールを服用した直後に異変がある場合はアナフィラキシーショックが考えられ、またヒューヒューと言った息をしたり息苦しさを認めた場合にはカロナールを服用を中止して、速やかに医師の診断を受けることが大事です。

カロナール以外のインフルエンザに使える解熱剤

アルピニー座薬

乳児や幼児、小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回、10〜15mgを直腸内に座薬として挿入する薬です。投与の間隔は4〜6時間以上とするそうです。

アンヒバ座薬

乳児や幼児、小児には体重1kgあたり1回10〜15mgを投与します。投与は、直腸内に座薬として直接挿入して行います。投与の間隔は、4〜6時間以上開けるそうです。各薬に関する詳細は、専門の機関や、薬剤師の方にお尋ねください。

インフルエンザのときに使ってはいけない薬

一部の解熱鎮痛剤は、インフルエンザにかかっているときに使用すると、重大な副作用をおこす可能性があるため、注意が必要と言われています。厚生省によって報告されている内容によると、解熱剤を使用して、インフルエンザ脳炎・脳症を重症化させてしまったケースがあるそうです。

ジクロフェナクナトリウム

製品名は、ボルタレン、ブレシン等があります。

2000年11月15日、日本の厚生省(当時、現:厚生労働省)は、インフルエンザを発症した子どもの患者には、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)を成分とする解熱剤の投与を制限しました。

ジクロフェナクナトリウムを服用した子どもの患者の死亡率が、他の解熱剤を服用した患者と比較すると高かったことが挙げられるそうです。 ジクロフェナクナトリウム使うことで、低体温・低血圧を引き起こす可能性が高くなり、インフルエンザ脳症の発生頻度が高くなるという報告もあるとされているため、注意が必要になってきます。

メフェナム酸

製品名には、ポンタールがあります。先程紹介した、ジクロフェナクナトリウムと同様の理由で制限されているそうです。アメリカでは、他の症状を併発してしまう可能性があるとされていおり、使用されていないそうです。最近では、インフルエンザ脳症を発症する可能性が高まってしまうという報告があるそうで、使用されていないようです。

スルピリン

製品名には、メチロンなどのピリン系があります。心機能不全、血液異常、肝障害、腎障害などの症状をもともと持っている人の場合、他の解熱剤よりも過剰に反応し、症状を悪化させてしまう可能性があるそうです。

アスピリン

製品名には、バファリン、PL顆粒、小児用PL顆粒があります。アスピリンはインフルエンザの時に使ってしまうと、脳炎・脳症を引き起こす危険性があると、指摘されてきた解熱剤だそうです。一般家庭に常時してあるような可能性が今まで紹介してきたものよりも高いと思われるので、かなり注意する必要があります。

インフルエンザ

インフルエンザかどうかを調べるには?

インフルエンザにかかっているかどうかを調べるには、症状の原因がインフルエンザウイルスであるかを調べる必要があります。

「迅速診断法」という方法が良く医療機関では用いられます。10分以内で結果を知ることができます。迅速診断キットと呼ばれる検査器具を使用して、鼻に長い綿棒のようなものを奥にまで入れ検体(拭い液)をとって、ウイルスがあるかどうかを調べます。

この検査キットにより、インフルエンザA型、B型かを検査できます。ただし、発症から12時間以内の場合は、体内のウイルス量が少なく、陰性と判定されることもあるため注意が必要です。

インフルエンザの症状の特徴は?

インフルエンザがいわゆる風邪と大きく違う点は、体温上昇の程度です。インフルエンザでは、高熱が急激にでるところが特徴です。

他にも症状としては、

  • 38度をこえる高熱
  • 倦怠感
  • 関節痛、筋肉痛
  • 頭痛
  • 喉の痛み
  • 咳(怒らない場合もある)
  • 鼻水
  • くしゃみ

引用元:http://info.net-memo.com

インフルエンザの種類

A型

ウイルスが変化しやすく、感染力が高いため、世界的に流行することがあります。インフルエンザA型の症状は、38度以上の高熱、悪寒、関節、筋肉痛などがあげられます。

B型

A型のようにウイルスの突然変異がないため、世界的な大流行を起こすことはないと言われています。A型よりも、毒性が弱く重症化する可能性が低いと言われていますが、A型よりも長期間微熱が続いたり、だらだらと風邪のような症状が続く傾向があるそうです。また、お腹へのダメージが強くでることも特徴と言われています。

C型

A型、B型に比べあまり馴染みがないのがC型で、さきほど紹介した検査キットでもA型とB型の判定しかできません。C型は、発熱、咳、鼻水の症状があらわれるのが特徴です。しかし、A型B型と比べると、熱が出る日数が2日程度で、やや症状が軽いのが特徴といえます。6歳以下の子どもが感染しているケースが多く、症状も強くでているようです。

インフルエンザの治療法

できるだけ安静にして、栄養と十分な睡眠をとることはもちろんですが、インフルエンザウイルスの活動を抑えるために加湿器等で、室内の湿度を50〜60%に保つことも大切です。

また、水分を十分に摂取することも大切で、水やお茶よりも、ポカリスエットやアクエリスなどの清涼飲料水の方が好ましいとされています。医療機関で処方された薬を、決められた用法で飲むことも大切です。熱が下がったからといって、すぐにウイルスが体内から消えたというわけではないです。しばらくはウイルスが残っており、くしゃみや咳で人にうつしてしまう可能性があります。そのため、治ってから2日程度は外出を控えるべきです。