なんだか胸が痛い!?心臓の痛みで考えられる5つの原因と対策
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胸が痛いときは早めに病院へ!
胸が痛いと心配になりますよね。心臓の問題に直結していると考えると怖いものです。考えられる病気や原因をここでは紹介します。気になる場合は、早めに病院へ行きましょう。
その際、しっかりと病状を伝えるために以下のことを考えておくことが大切です。
どこが痛い?
心臓と一口にいっても、左・右・うしろ・首や肩まで続いている等、様々です。どのへんが痛いかを考えておきましょう。
どんな痛み?
痛いといっても、痛みの種類は様々です。チクチクとした痛み・握りつぶされるような痛み・押されるような圧迫された痛み・ずーんと響くような鈍い痛みなどが考えられます。
いつから?どれくらい?
いつ頃から痛いか、そして痛みがどれくらい続くかも覚えておきましょう。一瞬痛むだけなのか、それとも数分に及ぶのか、数時間に及ぶのかによっても違いが出てきます。
他に併発している症状は?
胸の痛みだけでなく、他にも症状が出ている場合はそれも伝えましょう。呼吸困難・嘔吐・発熱・発汗・冷や汗などがあります。
狭心症
心臓が痛い原因として考えられる病気が「狭心症」です。狭心症とは心臓に血液を送り込む役割を果たす冠動脈が何らかの原因で狭くなってしまい、十分な血量が送られなくなった事によって痛みが引き起こされる病気です。コレステロールを摂り過ぎると冠動脈の内壁に溜まってしまうのですが、コレステロールの蓄積が進むと動脈硬化が引き起こされ血管の内側が狭くなり狭心症を引き起こしてしまいます。
このような状態になると心臓の血流が不足し全身に十分な酸素が送り込めなくなってしまいます。狭心症は徐々に症状が進むため最初のうちは軽い心臓の痛みから始まります。酸素が不足するためちょっと動いただけで息切れをしてしまい、心臓周辺に締め付けられるような発作的な痛みを感じます。息を整えると一時的に痛みもおさまりますが問題が解決したわけではないので動くたびに同じような痛みに襲われてしまいます。
狭心症は初期段階であれば投薬治療が可能ですが、症状が重い場合は手術が必要になります。コレステロール過多が主な原因なので食事を見直し運動する習慣を取り入れ、肥満状態を解消すると狭心症の予防になります。
気胸
大きく息を吸ったときに心臓が痛む場合は「気胸」の疑いがあります。気胸とは肺の一部が破れてしまっている状態のことで、呼吸時に肺に納められるはずの空気が破れている部分から漏れてしまい痛みを引き起こします。気胸は心臓近辺に痛みが現れますが心臓そのものに異常はなく肺の病気です。軽度であれば痛みも軽く放置しているうちに自然治癒してしまうこともありますが、重症化すると息をするだけで激痛を感じるようになります。
気胸によって肺から漏れた空気が心臓や心臓周辺の重要な血管を圧迫するようなことになると血流が阻害されてしまい、急激な血圧低下によって意識を失い最悪の場合死に至ります。放置するのは大変危険なので早めに受診してください。気胸による心臓周辺の痛みはゆっくりと表れ、胸だけでなく肩甲骨から肩にかけて鈍い痛みを感じます。息を吸ったときに痛みが強くなるのが最大の特徴で呼吸をしても肺が十分膨らまず十分な酸素を取り入れられないので、呼吸時に息苦しさを伴う痛みがあるときは気胸である可能性が非常に高くなります。
突発性自然気胸
明らかな原因もなく、突然に発症するタイプの気胸で、長身で痩せ型の若い男性に多いといわれる気胸です。気胸の原因となるブラやブレブができやすい体質的特徴(長身、痩せ型、若い男性)との関連があるとされていますが、はっきりとした原因は不明です。
気胸の範囲によって重症度が異なり、軽症の場合は穴は自然に塞がり、治療を必要としませんが、気胸が広範囲に及ぶと、広く肺を圧迫し、心臓への血液循環が阻害されることから、血圧が低下し生命の危険が及ぶこともあります。
続発性自然気胸
続発性自然気胸は、肺がんや肺気腫などの肺の病気に伴って起こる気胸です。
これらの肺疾患の罹患率が高い高齢男性の発症が多く、肺疾患の原因となる喫煙も関与しています。
月経随伴性気胸
続発性自然気胸の一種です。気胸は男性がかかるというイメージがありますが、子宮内膜症が原因で起こる女性特有の気胸があります。子宮内膜症組織が腹腔内や血管を介して胸腔に達して増殖し、月経時の子宮内膜組織の脱落時に肺に穴が開き気胸を起こします。
女性の気胸は比較的少ないため、気胸を起こした場合は月経との関連のある月経随伴性気胸の可能性を考えます。
心筋梗塞
突然心臓に耐えられないほど強い痛みを感じたら「心筋梗塞」の可能性があります。心筋梗塞は心臓に流れ込むはずの血流が何らかの原因で少なくなってしまったことが原因で心臓が虚血状態となり、壊死を引き起こしてしまう病気です。心筋梗塞を引き起こす要因としては肥満や喫煙、ストレスなどが主で、動脈硬化や高血圧などで血管が狭くなり心臓の虚血状態を引き起こし心筋梗塞を発生させます。急性の心筋梗塞は痛みが非常に強く、心臓を握りつぶされるような痛みが数十分間続きます。
素早い処置で虚血状態の解消に成功すれば命は助かりますが、数時間以上虚血状態が続くと心臓の機能が低下し死に至ります。心筋梗塞の対処はスピードが肝心なので異変が確認されたらすぐに救急車を呼んでください。痛みが弱い種類の心筋梗塞もあります。心臓の鈍痛や圧迫感に加え肩こりのような痛みや嘔吐感、動機や息切れなどの症状が表れますが心筋梗塞と気付くのが遅れてしまうケースも少なくありません。心臓の痛みと体調不良が併発しているときは早めに医師の診察を受けてください。
心筋梗塞が起きやすい年齢
心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患は65歳以上の方に特に多くみられますが、15~34歳が1,700人であることに対し、35~64歳では64,000人と35歳以上から注意したい疾患です(厚生労働省より)。生活習慣病がみられる年齢と重なっており、心筋梗塞と生活習慣病とは深い関わりがあることがわかります。
心筋梗塞の合併症
心筋梗塞による合併症もあります。
うっ血性心不全
心臓の筋肉の一部が死んでしまうことによって心臓の機能が著しく低下し、肺への血のめぐりも悪くなって肺に水が溜まり、呼吸困難、息苦しさ、息切れなどの症状がみられます。
不整脈
心臓の筋肉が壊れて心臓の拍動のリズムが崩れると、心室頻拍、心室細動などの頻脈(脈が通常よりも早く打つ状態)や洞不全症候群や房室ブロックなどの徐脈(脈が非常に遅く打つ状態)等の不整脈がみられます。
心破裂
心臓の筋肉が死んでしまった部分に圧がかかり、心臓が破れてしまう状態で、早急に治療しないと死に至ります。
心筋炎
「心筋炎」とは、心臓の筋肉(心筋)に炎症が発生した状態のことを指します。正常時に心臓が収縮と弛緩を絶えず繰り返す「心臓のポンプ作用」は、この心筋によって起こります。この心筋に炎症が及んでしまうと、心臓のポンプ作用が低下し、全身に必要な血液量を送り出すことができなくなる「心不全」や、「心ブロック」、「致死的不整脈」といった生命にかかわるリズム異常を引き起こすことがあります。
心臓が重苦しく引きつるような痛みを感じるときは「心筋炎」かも知れません。心筋炎とは心臓の筋肉が延焼している症状であり、炎症が原因で心臓の機能に以上が発生してしまいます。心筋炎は発熱や倦怠感など風邪とよく似た症状が現れるのが特徴で、ベテランの医師でも症状が軽いと心筋炎を見過ごしてしまうことがあります。風邪の治療で受診した患者を診察して心筋炎が判明することも多く、風邪が原因で心筋炎を引き起こすこともあります。
心筋炎はウイルスや薬剤の副作用などが原因で発症しますが原因の特定が困難なことも少なくありません。急激に症状が悪化すると劇症型心筋炎となり生命が危ぶまれる恐れがありますが、急性期を脱すれば症状は安定します。心筋炎は体調不良時に引き起こされることが多いので、健康的な生活をおくることが一番の対処法です。症状が軽くても突然重症化することがあるので風邪の症状に加え心臓の痛みがある場合は早めに医師の診察を受け、心臓の痛みのことを必ず伝えてください。
肋骨骨折
「肋骨骨折」も心臓近辺の痛みを引き起こします。肋骨骨折とはいわゆる肋骨の骨折のことで、心臓に近い位置の肋骨が骨折すると心臓周辺に痛みが発生し心臓の異常と勘違いしてしまうことがあります。肋骨は骨の中でも強度が弱く折れやすい骨であり、運動中に胸に強い衝撃を受けただけで簡単に骨折してしまいます。瞬間的に強い力がかかったときに折れるケースが多く、骨がもろいとくしゃみの衝撃だけで肋骨骨折することもあります。
肋骨骨折は皮膚に近い胸の表面付近が強く痛むのが特徴です。腫れや患部が発熱することもあるので痛みを感じた部分に目で見てわかる異常がある場合は肋骨骨折である可能性が高くなります。肋骨骨折は単純な骨折であれば手術の必要はありません。手や足の骨折とは違いギプスで固定することもできないので、バンドやテープで固定し自然治癒を待つことになります。
ただし、折れた肋骨が内蔵に刺さる危険がある場合は手術する必要があります。痛みが強い場合は痛み止めを飲んだり肋間神経ブロックで痛みを抑えます。