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スポーツ心臓とは

スポーツ心臓とは、長時間激しい運動をした結果、通常より大きく、心臓の壁が暑くなった心臓のことを指します。元はというと、有酸素運動のプロスポーツ選手にたくさん見られたことから名づけられたものですが、スポーツをする人が増えた現在では「アスリートではなくても運動量が多い人」にも見られます。スポーツ心臓は、体が普段の生活環境(この場合は運動が多い環境)に適応した結果なるものです。

よって病気ではありませんが、スポーツ心臓は様々なメリットやデメリットを生み、一般的な心臓と比べると特異なものなので、言葉で区別されています。スポーツ心臓かどうかは、一般的な成人より安静時心拍数が少ないかと、その他異常がないか(徐脈性不整脈や頻拍性不整脈と区別するため)で判断されます。一般的な成人は60回から70回程度ですが、スポーツ心臓の人の安静時心拍数はこれよりも少なく、水泳の長距離選手ともなると45回前後だということもあります。

スポーツ心臓の分類

同じスポーツ心臓でも行っていたスポーツにより、タイプが分かれます。

心拡張型

心臓の容積が拡大するタイプです。長距離走、クロスカントリー、水泳、自転車などを行っていた人に多くあります。

心肥大型

心臓の壁が肥大するタイプです。ウエイトリフティングや、柔道などを行っていた人に多くあります。

複合型

心拡張型と心肥大型の両方がおこっているパターンです。

スポーツ心臓の原因

スポーツ心臓になる原因は「激しい運動のしすぎ」です。もともと、私たち人間の体には適応機能があります。例えば、風邪では症状として熱が出ますが、あれは体に入ったウィルスを撃退しようとするから起きたものの1つなのです。そのため、初期のうちは体温を逃さないことが様々なところで推奨されています。

また、風邪とよく似たインフルエンザもウィルスを撃退しようとする動きで体温が上昇します。風邪やインフルエンザではありませんが、スポーツ心臓になるのも体が持っている適応機能が働いたからです。心臓が大きくなると、心臓が体内に一度に送れる血液の量が増えます。一度に送れる血液が増えると、疲れにくい身体ができあがります。この疲れにくい身体は、運動しているときに大きいプラスの効果を発揮し、運動する人の「出したい結果を出す」をサポートしてくれます。では、このようなプラス面があるスポーツ心臓になると、どのような症状が表れるのでしょうか。

スポーツ心臓の症状

日常生活でスポーツ心臓の症状は感じられません。強いて言えば、疲れづらくなったのみです。スポーツ心臓の症状が現れるのは、専門の検査を受けたときです。胸腺X線検査を受けると、心臓が肥大した様子がくっきりとわかります。なおこの場合、肥大した心臓が症状の1つになる病気でないかを確認するために、追加の問診や検査が行われますが、ほとんどの場合コレと言った異常は見つかりません。

心電図検査を受けると「QT延長症候群」「ST上昇」「徐脈」「房室ブロック」「右脚ブロック」「左室高電位」などといった異常が見つかることがあります。これらの異常が見つかると、ほぼ100%追加問診や検査を受けますが、スポーツ心臓の場合、命に関わる異常は特に見つからないことが多いようです。スポーツ心臓にかかると健康診断が少し面倒になりますが、心臓が大きくなる病気はほぼほぼ命に関わる重大なものです。しっかり追加検査も受けて、健康管理していきたいですね。

スポーツ心臓と突然死は関係ない?!

スポーツ心臓と突然死の関係をセットで語られることが多いですが、スポーツ心臓と突然死の間にはなんの関係もありません。スポーツ心臓ではなく「肥大型心筋症」が原因で突然死することがほとんどです。肥大型心筋症とは、高血圧や弁膜症など心臓が大きくなる明らかな原因がないのにも関わらず、異様に心臓が大きくなる病気です。

この病気の特徴は左右で大きさが違うように心臓が大きくなるというもので、肥大型心筋症になる人の半数は遺伝性でなっています。スポーツ心臓と肥大型心筋症を区別するには心エコー検査を受ける必要があり、心臓が柔らかければスポーツ心臓、硬ければ肥大型心筋症とされます。

また、その他にもスポーツ心臓と診断されてはいたものの、実は他の重大な病気を心臓に抱えていたために突然死する例もあるようです。スポーツ心臓は至って健康的な現象ですが、怖いと思う人や、他に自覚症状がある人は病院にて詳しい検査を受けるといいでしょう。

スポーツ心臓と寿命は関係ある?

スポーツ心臓だからといって、寿命が短くなる長くなるといった違いはないと考えられているそうです。スポーツ選手が短命であるという説もありますが、その理由がスポーツ心臓だからというデータは無いようです。

スポーツ心臓のメリットとデメリット

スポーツ心臓になると、スポーツで結果を出しやすくなり、なおかつ日常生活でも疲れづらくなります。スポーツ心臓になると長時間に渡って激しい運動をするスポーツでは、かなり有利な立場に立つことができます。日常生活でも体力がついたとほぼ同じようなものですから、階段の昇り降りを息切れせずにできたり、急いで走っても息切れしないようになります。

このようなメリットがスポーツ心臓にはありますが、スポーツ心臓にはデメリットもあります。スポーツ心臓になると運動後の血圧上昇が急激になるともされています。急激に血圧が上がると、スポーツしたあとに眠くなりやすかったり、その他にもいろいろな影響が出てきます。他にも、スポーツ心臓になるほどの過激なトレーニングや運動は良くないとする識者もおり、スポーツ心臓になるメリットは、スポーツしている人だけでなく体力が欲しい人にもにとっては嬉しいものはあるものの、一方で少なからずデメリットもあるようです。