ステロイドってどんな薬?うまく使えば怖くない?ステロイドの真実
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ステロイドとは?
ステロイドとは、副腎皮質ホルモンのことを言います。副腎とは血液をろ過して尿を作る腎臓にくっついてる臓器です。
副腎は、皮質と髄質がありホルモンを作り出す臓器です。皮質は、アルドステロン・糖質コルチコイド・アンドロゲンが生成されます。これらがステロイドホルモンです。
髄質からは、アドレナリン・ノルアドレナリン・カテコラミンが生成されます。
ステロイドホルモンは、副腎皮質ホルモンに性ホルモンのエストロゲン・黄体ホルモンなどを含めたホルモンを指します。
炎症などで使用される医薬品の多くは糖質コルチコイド(グルココルチコイド)です。ステロイドホルモンは、錠剤や外用薬・点滴・吸入剤・点眼薬など形状は様々です。処方箋だけでなく、市販の薬局で売られている製品もあるので目にする機会も多い薬剤です。
スポーツ現場で取りざたされる筋肉増強剤もステロイドの一種です。筋肉増強剤には、アナボリックステロイドですが、こちらは糖質コルチコイドとは異なります。男性ホルモンに作用して、筋力増強をもたらします。
ステロイドの効果
ステロイドと一言に言っても使用される症状は様々です。強力に炎症を抑えたり、アレルギーによる皮膚炎に外用剤が処方されることがあります。
ステロイドは、白血球のなかのリンパ球の遊走を抑えて、恒常性を保とうとします。そのため、自己免疫疾患のように過剰に免疫反応が出て自分自身の細胞を攻撃してしまうのを抑えるために使用されます。
ステロイドの種類によって、強さや作用時間が異なります。ステロイドの作用の強さは㈵群(最強)〜㈸群(弱い)までの5段階で表されます。
㈵群:クロベタゾールプロピオン酸エステル・ジフロラゾン酢酸エステルなど
㈼群:ジプロピオン酸ベタメタゾン・吉草酸ジフルコルトロンなど
㈽群:吉草酸デキサメタゾン・硫酸フラジオマイシン・吉草酸ベタメタゾンなど
㈿群:酪酸ヒドロコルチゾン・酪酸クロベタゾン・トリアムシノロンアセトニドなど
㈸群:酢酸デキサメタゾン・酢酸プレドニゾロン・ヒドロコルチゾン・クロタミトンなど
市販の薬局で買えるのは㈽群から㈸群の外用薬になります。
ステロイドの病気別使用法
剤形が様々なステロイドですが、作用する病気によって強さも作用時間も、剤形も異なる薬剤が使用されます。
気管支ぜんそくには、吸入剤が使用されます。吸入ステロイドは、気道の炎症を抑えてくれるので、ぜんそくをお持ちの方や、周囲に小児ぜんそくの方などおられたら一度は見かけられたことがあると思います。また、妊婦や授乳中の方でも使用でき、ぜんそくの苦しさから解放してくれます。
アナフィラキシーショックの際は、時間との勝負なので速やかに作用が現れるアドレナリンの筋肉注射が施されます。ショック症状がなく、中程度や軽度であれば、抗ヒスタミン剤やステロイド剤が投与されます。
毒蛇や蜂、ムカデなどに刺された際は、蚊に刺された時に塗るかゆみ止めでは、なかなか痛みやかゆみ・腫れなどの炎症が退かないので、ステロイドの塗布剤や経口投与、静脈注射などが症状に合わせて処方されます。市販薬では、PVA(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)と書かれている製品があります。患部で活性が強く、吸収されると活性の低い成分に代わるので、カラダへの負担が少ないて済みます。
他にはどんな用途がある?
ステロイドを使用する病気として、自己免疫疾患があげられます。自己免疫疾患は、普通は病原菌などの異物に反応する免疫機構が自己の組織や細胞などにも反応して攻撃してしまう病気です。
ステロイドは、抗炎症作用が強く関節リウマチなど関節の炎症を抑え、免疫反応を抑える作用があります。関節リウマチの関節注射は、一度打つと4週以上あけての使用になります。
また錠剤や静脈注射もあります。2週間に1度ほどの注射で大量投与するステロイドパルス療法もあります。症状の改善とともに用量を減らしていきます。
ステロイドの用量は、副作用の出方などによっても変えたりすることもあるので、担当医との密接なコミュニケーションが必要となってきます。正しく用法容量を守って使用すれば、効果の高いお薬になります。
また、ステロイドは肝臓で糖を合成し筋肉が糖を使うのを妨げて血糖値を上げる作用もあることから、低血糖の患者さんに投与されることがあります。
ステロイドの副作用
ステロイドには、副作用があるのは言うまでもありません。しかし、どんな副作用があるかご存知でしょうか?
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血糖値を上げる
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血液中の中性脂肪やコレステロールを上げるため、動脈硬化・高脂血症など
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血中のナトリウム濃度があがり、水分量もふえるので高血圧になる
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肝臓で糖を作るときにタンパク質を使用します。そのタンパク質は、横紋筋を溶かして血中に増やすことで使用するので、筋肉が溶けてしまいます。
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眠りが浅くなる、不眠・うつ症状など
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骨がもろくなる骨粗しょう症
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免疫作用を抑えるため、感染しやすくなる
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消化管の粘膜が弱くなり、潰瘍を作る
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血小板の作用が高まり、血栓をつくる
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白内障や緑内障の進行を早める
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急にステロイドをやめると、体内でのステロイドを作る機能が戻っておらず、全身倦怠感や吐き気、頭痛など
ほかにも、脱毛や生理不順などなど副作用が多いステロイドですが、担当医からの処方された薬の用法容量を守り、カラダの不調・副作用があればすぐに相談することです。