注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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子宮筋腫とは

良性腫瘍

子宮筋腫とは、一言で説明するなら子宮にできる良性の腫瘍のことを言います。腫瘍と聞くとすぐに「ガンなの?」と思ってしまうかもしれませんが、そもそも腫瘍とは、「腫」=腫れること、「瘍」=できもののことを言います。つまり、腫瘍とは腫れてできた盛り上がったもののことを言います。ちなみに潰瘍は糜爛が見られるできもののことを言います。良性というのは当たり前ですが悪性ではないということです。悪性腫瘍はすなわちガンのことを言いますが、子宮筋腫は悪性腫瘍のような悪さをする疾患ではないということです。

最もポピュラーな婦人科系の疾患です

子宮筋腫は、妊娠が可能な年齢であればだれでもなりうる疾患です。罹患者数は4人に1人とも5人に1人とも言われており、珍しくない疾患であるどころか、とてもありふれた疾患です。子宮筋腫はそのできる場所によって筋層内筋腫や粘膜下筋腫、漿膜下筋腫などに分類され、筋腫が1つだけ出来ることもあれば、複数個できるようなこともあります。

子宮筋腫の原因

原因はよく分かっていません

子宮筋腫ができてしまう原因については、現代医学をもってしてもハッキリとしたことが分かっていないのが実状です。ただ、更年期を迎えた女性の子宮筋腫が自然と収縮してくることから、ホルモンバランスの影響があるのではないかと考えられています。更年期を迎えると、卵巣からの卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少してきますが、それによって子宮筋腫が小さくなってくることが分かっています。このことから、子宮筋腫ができる要因の一つとして、女性ホルモンの関与が指摘されているという訳です。

リスクファクター

子宮筋腫ができてしまうリスクファクター(危険因子)や、子宮筋腫が比較的出来やすい人というのはいるそうです。例えば、初潮が来た年齢が若かった人や、更年期を迎える時期が遅かった人などがそれに当たります。また、冷え症やむくみを持っているなど、体の血行が悪いような人も、子宮筋腫になってしまうリスクが上昇するということです。

子宮筋腫の症状

基本的には無症状であることが多い

婦人科系の疾患には比較的良くあることなのですが、筋腫ができる場所や大きさによっては、症状が何も出ないこともよくあるそうです。人によっては閉経を迎えるまで何の症状も現れず、特に治療をする必要がないこともあるそうです。

月経時の痛み

子宮筋腫にかかわらず、婦人科系の疾患の代表的な症状が月経時の痛みです。月経の時に下腹部や腰に痛みが出たり、また経血の量が増えたりすることがあります。特に、レバーのような血の固まりが出るような時には注意が必要だとされています。さらに、月経の期間が10日以上続くなど、長期に渡るようになることもあるそうです。

その他の症状

子宮筋腫ができる場所によっては、月経の際に大量の出血をともなうようなこともアリ、その場合に貧血がしたり、めまいや立ちくらみなどの症状が見られることがあります。また、不正出血が見られたり、筋腫が大きくなると自分でさわってみても分かるくらいになるそうです。

子宮内膜症、子宮頸がんと症状が似てる?

子宮内膜症

子宮内膜症というと、子宮の内部で何かが起こる疾患と思われている方もいらっしゃるかも知れませんが、実は、子宮内膜症とは子宮以外の場所に、子宮内膜と同じような組織ができてしまう疾患のことを言います。そして、子宮筋腫と似ている症状としては、月経時の痛みや不正出血、経血量の増加などが挙げられます。子宮内膜症も比較的よく知られている婦人科系の疾患の一つで、若い女性を中心に見られ、30歳から35歳くらいにかけてピークを迎えるということです。

子宮頚がん

子宮は主に、赤ちゃんが育つ場所である子宮体部と、赤ちゃんが生まれてくる時の通り道である子宮頚部とに分けられます。子宮体部にできるがんが子宮体がんで、子宮頚部にできるがんが子宮頚がんです。子宮頚がんと子宮筋腫とが似ている点は、どちらも初期には症状が見られないということです。子宮頚がんも基本的には痛みもなければ、出血が見られることもないということです。そのため、定期的な健診が重要となります。

子宮筋腫の治療法

薬物療法

子宮筋腫は卵胞ホルモン(エストロゲン)を栄養として成長するので、その分泌を抑えるための薬(低用量ピルなど)が用いられる治療法があります。低用量ピルは副作用が少なく、月経時の痛みを軽減したりするのに効果的です。また、ホルモンバランスを調整する薬を用いて、偽閉経状態を作り出す治療法もあります。ただ、妊娠を望む場合にはこの方法を用いることが出来ないのと、偽閉経状態を作ることによってホットフラッシュなどの更年期障害と同じ症状が出ることがあります。

手術療法

子宮筋腫が急速に大きくなった場合や、日常生活に支障をきたすような場合には手術療法が選択されることもあります。妊娠を希望する場合には病巣だけを取り除く方法が選択されますが、小さい筋腫核までは取り除けないため、再発のリスクはつきまといます。妊娠を希望しない場合には、病巣を子宮ごと摘出する方法が選択されることもあります。この方法は根治療法なので、再発の可能性はないということです。