注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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マイコプラズマ肺炎は大人もかかる!

マイコプラズマ肺炎はマイコプラズマという微生物が原因で起こる肺炎です。子供やお年寄りの感染が多いものの、一般的な大人でも罹患する可能性があり、注意が必要な病気になっているのです。

子供のころにマイコプラズマ肺炎にかかっていると抗体ができているためかかり辛くなるのが理由の一つで、大人のマイコプラズマが目立たない理由の一つになっています。一方で、マイコプラズマ肺炎の抗体が無い人は肺炎にかかってしまう可能性があるのです。また、マイコプラズマに感染しても、発症しない人もいるのです。

また、統計上肺炎の一種としてまとめられることも多いため、参考にする情報によっては目立ちづらいという面もあります。しかし、近年は大人の集団感染なども社会問題化するように、数年ごとに流行を繰り返しているという現実があります。免疫力が弱っていると感染リスクが高まるだけでなく、他人から移される可能性もあることを理解し、感染予防や健康に気を配ることが重要になっているのです。

マイコプラズマ肺炎とは

マイコプラズマ肺炎とはマイコプラズマと呼ばれる病原性微生物が肺に感染して発症する病気のことを指します。症状として、発熱やしつこい咳などの風邪に似た症状から始まり、どんどん症状がひどくなる病気で、解熱しても咳が1ヶ月ほど続くこともあります。

マイコプラズマ肺炎と通常の風邪を見分ける自覚症状として、マイコプラズマ肺炎は38度以上の発熱、全身の倦怠感、乾いた咳が続く、胸痛などが挙げられます。そしてこのマイコプラズマ肺炎は、数年に一度、大流行すると言われています。

またこの病気自体は軽い症状で終わることもありますが、普通の気管支炎や肺炎を合併することもあり、注意が必要です。

さらにマイコプラズマ肺炎は、感染しても発症しない可能性もある一方で、一度感染して完治した後でも何度も感染する可能性もあります。これはマイコプラズマ肺炎を一度発症もしくは感染しても免疫ができないためだと言われています。そしてこの病気は1年を通して感染・発症されますが、特に秋から冬、春にかけて猛威を振るうと言われています。

マイコプラズマに感染する理由とは?

### マイコプラズマとは病原微生物 マイコプラズマは人から人に感染する病原体であり、自己増殖ができるという特徴を持っています。正確には、細菌でもウイルスでもなく微生物なのです。マイコプラズマは光の波長よりも小さく、光学顕微鏡では見ることができないため、早期の診断が困難になっている理由の1つになっています。

### マイコプラズマがどうやって病気をひきおこす?

実は、マイコプラズマが具体的にどのようにしてマイコプラズマ肺炎を引き起こすか、という詳細は明らかになっていません。有力な説としては、マイコプラズマが気道の粘膜にくっついてその数を増やし、細胞を傷つけるというのが1つです。また、菌の持つ成分によって免疫細胞が反応し炎症を惹起する、という説もあります。また、マイコプラズマには自己増殖ができるという特徴があるようです。

マイコプラズマという細菌自体は熱に弱く、石鹸でも除菌ができると言われています。ですから、「マイコプラズマの感染力は比較的弱い」と言われることが多いようです。しかし、人から人へと感染し、大流行を起こすことがあるという意味では、「感染性は高い」という見方もあるようです。

### マイコプラズマの感染ルート

飛沫感染

1つ目の感染ルートは飛沫感染。飛沫感染とは咳やくしゃみによって感染することで、接触感染とは病原体が付着した皮膚や物に直接触れることで感染することです。特に咳やくしゃみで感染する飛沫感染が厄介で、学校や会社など集団でいたり行動する際にマイコプラズマ肺炎の感染者がいた場合、掛け算的に感染者が増えてしまいます。

接触感染

2つ目の感染ルートは接触感染です。名前の通りで、細菌の付いたものに触れることで感染します。濃厚な接触をする家族や親しい友人などに感染者がいる場合も、感染リスクは高いと言えるでしょう。

またのちほどご説明しますがこの病気には潜伏期間があり、その潜伏期間中はマイコプラズマに感染していても発症することはありません。ただし発症はしていなくても病原体であるマイコプラズマの排出はしているのです。

つまり発症していないので自分がマイコプラズマ肺炎であることを自覚しないまま生活しているので、知らず知らずのうちに無防備に病原体を排出している人がいるケースがあり、その人の近くにいれば当然マイコプラズマ肺炎に感染する可能性も高まります。

マイコプラズマ肺炎のうつる期間

先程もご説明した通り、マイコプラズマ肺炎には潜伏期間があります。潜伏期間とは病原体が体内に侵入してから症状が出るまでの期間のことです。したがって潜伏期間中は体調の異常などは感じません。マイコプラズマ肺炎はその潜伏期間が2週間から3週間と言われており、長ければ1ヶ月後に発症する場合もあると言われています。

そしてこの潜伏期間中にマイコプラズマ肺炎を早期発見することは非常に困難だと言われています。血液検査などで検査する方法はあるのですが検出率は高くなく、そもそも自覚症状がないため、早期の段階に病院で検査を受けること自体が難しいのです。

そしてこの潜伏期間でも病原体の排出は行われているため、感染の拡大に繋がってしまいます。

ただしマイコプラズマ肺炎は感染しても、必ず発症するとは限りません。病原体に感染した人の中で、わずか3〜10%の人しかマイコプラズマ肺炎を発症せず、ほとんどの人は感染しても発症しないで終わる不顕性感染の状態であるいえます。

大人のマイコプラズマ肺炎の症状

大人のマイコプラズマ肺炎の症状の特徴は、風邪に似た初期症状から始まることです。体温は38度前後まで上がり、倦怠感と頭痛が伴います。咳が出ない場合も珍しくなく、そのまま仕事を続けて悪化させるのも珍しくないのが特徴です。数日すると乾いた咳が出始め、呼吸困難を伴うこともあります。

咳がひどくて喉を傷つける人もいるため、症状が重いと感じたらまず診察を受けるのが基本になります。また、症状が軽くても1ヵ月以上咳が続けるなど、長く持続する場合があるのも特徴です。

ポイントになるのはマイコプラズマ肺炎は飛沫感染をすることです。家族に感染する可能性があるだけでなく、室内に原因となるマイコプラズマが残り続けることもあるのです。マスクやタオルにも付着するため注意が必要で、病院で治療を受けないと根治することが難しいのです。免疫力だけで直そうとしても周囲への影響が大きいことも理解し、咳が長引くようであれば一度診察を受けるのが基本になるのです。

大人のマイコプラズマ肺炎の治療法

大人のマイコプラズマ肺炎の治療は、基本的に抗生物質の処方を受けることになります。マイコプラズマ肺炎は感染症の一種で、マイコプラズマと言う細菌が原因となっています。そのため、最近を弱らせる抗生物質を使いつつ、免疫力を回復させて治療をはかる形になるのです。

重症化した場合はステロイド系のホルモン剤が使われることがあります。ポイントになるのは市販薬に抗生物質は存在せず、病院で医師から処方を受ける必要がある点です。市販の風邪薬などを利用しても意味はない点に注意が必要です。

また、感染を広げる恐れがあるため、咳がひどい場合はマスクをすることが重要になります。タオルなどからも感染するため、家族がいる場合は共用を避けるようにします。仕事をすれば職場にも感染を広げてしまう事があり得るため、上長に事情を話した上で休むのが基本となるのです。

また、免疫力を高めるためにしっかりと休息を摂り、栄養をとることも大切です。感染を防ぐためにも睡眠をしっかりとるのが基本になるのです。

妊娠中にマイコプラズマ肺炎にかかったら?

妊娠中にマイコプラズマ肺炎にかかっても、子供にうつる影響はないと言われています。ただし、使用する薬によっては胎児に影響を与えることがあるため、医師の判断を仰ぎながら利用していく形になります。特に妊娠初期は抗生物質などのを影響を受けやすいと言われているため、病気が疑われる場合は早めに診察を受けて早目に治すことが基本になります。

10週目以降であればある程度安定してくるため、薬の制限も少なくなりますが、やはり医師の判断が重要になります。また、重篤化すれば高熱や子宮収縮などの悪影響を与えることもあるため、自己判断で休んで治すのを目指さないことも重要になるのです。臨月の場合は激しい咳などで破水する可能性も出てくるため、やはり早めの受診が基本になります。

予防のためには普段からマスクをして飛沫感染を防ぐことや、加湿器などを使って空気が乾燥しないようにする必要があります。うがいや手洗いをしっかりして、病気を持ち込まないことが基本になるのです。

早期発見&治療が大切!

大人のマイコプラズマ肺炎は早期に発見し、早期に治療することが基本になります。特に自覚症状なく悪化して気付くことが多いため、風邪気味かと思った場合はまず病院で診察を受けた方が良いのです。特に旅行など外出などで不特定多数の人とすれ違った場合や、職場で風邪にかかって休んでいる人が多い場合は用心した方が良いのです。インフルエンザなども疑って、マスクなどをした上で病院に行くのが正解です。

マイコプラズマ肺炎を放置し重症化すると、脳炎などの別の病気にかかる場合や、障害が残る可能性もあります。他人に感染させる恐れもあるため、非常に危険な病気でもあるのです。少しでも心当たりがあるならまず病院に行く必要があるのです。

また、マイコプラズマ肺炎であることがわかったら職場に報告するのも基本になります。無理をしても治るものではないため、まずは薬を飲みつつ安静にすることが回復の早道です。長引けば長引くほど周囲への影響が大きくなることも理解する必要があるのです。

マイコプラズマ肺炎に感染しないために

今までの説明から、マイコプラズマ肺炎は防ぎにくい感染ルートを持ち、なおかつ誰であっても感染する病気であると言われています。だからこそ日常から感染対策をしっかりと実践し、予防していくことが重要なのです。

マスクを着用する

まず挙げられる予防法としてマスクの着用があります。飛沫感染の一番有効な対策はマスクであり、マイコプラズマ肺炎も例外ではありません。

マスクをつける際には、以下のようなことにも注意しましょう。

  • マスクの隙間を作らない(マスクと顔に隙間を作らないことでウイルスの侵入を防ぐ)
  • マスクの表面を触らない(マスクの表面に付着しているウイルスを触って広げない)
  • マスクにウイルスを寄せ付けない(マスク用防菌スプレーなどを活用して、マスクにウイルスを寄せ付けない)

引用元:http://www.eisai.jp

他にも、マスクには飛沫感染を防ぐという目的がありますので、ウイルスの侵入経路である鼻と口をできるだけ空気の漏れがないように覆うようにします。使用しているとマスクの外側のフィルター部分にはウイルスをはじめとする病原体が付着していると考えるべきなため、使用中やマスクを外すとき、口周りを覆うフィルター部分は触らないことが大切になります。マスク使用前に、マスクに防菌のスプレーをすることも、ウイルスの付着を防ぎ効果的です。さらにマスクを外した後で手を洗えば、感染予防になります。

マスクを取り替える頻度としては、1日1枚程度の使用が目安です。2日以上使用することは推奨しません。2日以上の使用は、ウイルスなどがマスク表面に多く付着していると考えるべきであり、それを広げてしまうかもしれません。またフィルターの劣化によって予防効果が薄れるだけでなく、臭いなどの不具合も起こります。

手洗いとうがいをする

次に手洗い、うがいを行うことも重要な予防法の一つです。接触感染で一番多い感染ルートは手についた細菌からだと言われています。ドアノブや手すり、エレベーターのボタンなど、日常生活において無意識でも他の人と共用するものを触っていることは非常に多いでしょう。そのような接触を防ぐことは非現実的であり、それよりも付着してしまった病原体を除去することが重要です。

マイコプラズマという病原体は熱に弱く、また石鹸でも除去できると言われていますので、手洗いは非常に有効な予防法といえるでしょう。またうがいも同様で、口の中や喉に付着してしまった病原体を洗い流す効果があるので、手洗いと併せて実践するとさらに効果的です。

手洗いにおいて重要な点は以下のことがあげられます。

  • 固形石鹸は、細菌が付着しやすいので、液体せっけんを使用する。
  • 指の間、爪の先、親指をしっかり洗う。
  • 時計や指輪を外して洗う
  • 洗い終わったら、ペーパ―タオルで拭く
  • 爪を短く切る

引用元:http://www.tepika.net

タオルの共有をしない

またタオルの共用をしないことも予防法の一つです。もし共用する家族の中に感染者がいた場合など、せっかく手洗いで消毒してもタオルに病原体が付着している可能性があります。タオルの共用をなるべく避けることや、使い捨てのペーパータオルを使用することも予防法といえるでしょう。

予防法の一つ一つは非常に簡単なことですが、意識をしないとなかなか実践できないことばかり。日常での予防対策の実践やこの病気の症状や感染ルートを理解することで、いざという時に対処できるよう準備をしておきましょう。

アルコール消毒を使用する

マイコプラズマにたいしては、界面活性剤(いわゆる固形石鹸)や、速乾性消毒剤(いわゆる消毒用エタノールなど)が有効と言われています。

手を洗いたくても洗えない場所などでも、携帯用のアルコール消毒薬を持ち歩き、こまめに使用するようにしましょう。

記事引用元:http://www.nih.go.jp