注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

Sponsered Link

肩こりとは

肩こりとは、主に上僧帽筋という筋肉が緊張したままの状態が続き、痛みを感じる症状のことです。重い頭を支える首の後と横、肩から背中にかけての筋肉が、疲労によりこわばってくると神経や血管を圧迫し、様々な不快な症状が出るようになります。

痛い、重い、だるい、しびれる、冷たい、首が回らない、肩が上がらない、常に違和感がある、じっとしていても辛いなどの訴えが多く聞かれます。頭痛やめまい、耳鳴りや目のかすみなどを併発するケースも多いですね。

小学生からご高齢者まで、幅広い年齢層に発症します。近年は年少者の患者さんも増えてきましたが、一般的にはデスクワークの時間が長く、筋肉の弱い女性が多い傾向にあります。 

O.A作業や家事全般は、どうしても下向きになってしまいます。体重のおよそ10分の1の重さの頭を支え続けるのは、首肩の筋肉にとっては、かなり辛い仕事ですね。首を傾ける角度が大きければ大きいほど、負担は増えてきます。普段から姿勢に気を付け、特に頭の位置に気を配ってください。

肩こりの原因になりうる病気

肩こりの原因になりうる病気は、軽度なものから重篤なものまで、実に様々です。

通常、筋肉は繰り返しの動作と同じ姿勢で、疲労してこわばってきます。作業や日常生活での姿勢が原因ですね。 筋肉の疲労がとれれば、症状も改善するものです。ところが病気が原因だと、休息をとっても楽にならない場合が多いです。

よく見られる疾患は、目、歯、歯茎、鼻、耳、のど等です。炎症があり患部に痛みを伴う場合もあるので、随伴する自覚症状がある方は、各専門医に診てもらいましょう。

心疾患があれば、主に左肩にしつこい痛みがみられますし、頸椎に疾患があれば、シビレや知覚鈍麻、筋力低下を伴う肩こりになります。病気が原因の肩こりの特徴は、痛みがだんだん強くなる、夜中痛くて目が覚める、首肩を動かしても痛みが強くならない等ですので、目安にしてください。

ちなみに顎関節症の原因となる「くいしばり」、ストレスやお天気(気圧、湿度)等も、肩こりの大きな原因になりますよ。

肩こりのセルフ対処法

病気が原因の肩こりは、専門医の治療が優先されますが、筋肉の疲労やこわばりが原因の場合はセルフケアが有効です。筋肉の疲労を解消し、血流を改善することで、筋肉をゆるめて肩こりの痛みを軽減させましょう。

激しい痛みや炎症、熱感や腫れがなければ、筋肉を温めてあげましょう。40度くらいのお風呂に10分間ほど浸かります。心臓や血圧に問題がなければ、ぬるめの温度に長時間の半身浴も有効ですね。 電子レンジで温められるホットパックも、手軽で良い温熱療法です。

風呂上がりと起床時、出来ればお仕事の合間にも、首や肩背中のストレッチをしましょう。首は前後左右に倒す、回すストレッチを、気持ち良い強さで10〜20秒保つように2〜3セット行ってください。慣れてきたら、軽く痛みを感じるくらいの強さでも良いでしょう。

次に肩甲骨を意識して肩をゆっくりと、前回し後ろ回しに動かしましょう。痛かったら無理をせず、出来る範囲で結構です。

最後に両肩をすぼめるように、ギューと上げて、ストンと脱力します。2〜3回繰り返しましょう。

これだけでも、筋肉の緊張がやわらぎ、肩こりの症状が軽減しますよ。

肩こりの治療法

セルフケアも重要ですが、それでも症状が治まらない場合は、治療が必要になってきます。

治療を始める前にまず重要なことは、病気が原因の肩こりかどうかの鑑別です。そのためには、整形外科医による検査と診察、診断が不可欠です。まずは近隣のクリニックを受診しましょう。診断結果により、専門的な診察が必要であれば、専門病院や大病院を紹介されます。 

整形外科の治療範囲の疾患であれば、注射・お薬・リハビリ室での治療が行われます。症状が重くしつこい場合は、神経ブロック注射が勧められることもあるでしょう。それでも改善しないケースでは、手術が検討されることもあります。

お薬は、消炎鎮痛剤・筋肉弛緩剤・血流改善薬、必要に応じて神経痛のお薬が処方されます。用法用量を守って服用し、勝手に中断しないでくださいね。症状の変化は、なるべく細かく担当医に報告してください。処方する際の、重要な情報になります。

リハビリ室では、電気・牽引・温熱・運動療法などが施術されます。痛い時は我慢せずに、担当者に相談しましょう。

はりや灸、マッサージなどが有効な場合もあるので、担当医に相談してからご検討くださいね。

肩こりの予防法

肩こりの原因が病気でなければ、日常生活動作に気を付けることで、予防がある程度可能です。肩こりにとっては、姿勢が一番重要なので、仕事中も含めて十分に気を付けましょう

下向きや顔が肩より前に出てしまうと、首や肩・背中の筋肉に負担がかかってしまうので、なるべく避けるようにしてください。前傾の立ち仕事の時は、頭をさげた下向きにならす、背筋をまっすぐにして、股関節から前傾していきます。この姿勢は、腰痛の予防にも有効です。

デスクワーク時は、椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばします。浅くかけて後に寄りかかったり、脚を組んではいけません。股関節は90度に保つ姿勢が良いのですが、作業上前傾する時は、立位同様股関節から曲げてください。

O.A作業の方は、モニターの位置を必ず正面に、高さも適正に設置してください。疲れてくるとどうしてもモニターを覗きこむような悪い姿勢になりますので、ご注意くださいね。

長時間のスマホや寝ながらのテレビ観賞は、必ず肩こりになるので、気を付けましょう。 起床時の首肩の痛みは、高さの合わない枕や寝返りの打ちにくい寝具が原因の場合が多いので、ご検討ください。

なるべくリラックスできるご自分の時間を持ち、良い姿勢保つよう意識し、筋肉を温めてストレッチをすることで、必ず効果は期待できますので、諦めずにどうかお試しくださいね。