注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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十二指腸潰瘍とは?

十二指腸潰瘍とは、その名のとおり、十二指腸の部分に潰瘍ができてしまう病気です。十二指腸は胃などのほかの消化器と比べて筋層が薄くできているため、進行してしまうと、出血や穿孔を起こしやすいという特徴があります。

穿孔とは、十二指腸にできた潰瘍が進行し、そのまま臓器に穴をあけてしまうことです。胃荒れなどの腹痛だと思って放置していると、症状がすぐに進行し気づいた時には穿孔が進んでいて、緊急手術が必要になったり、生命にかかわることもあります。

治療にかかる期間は、患者さんによって様々ですが、投薬によって様子を見るという方から、入院、手術を必要とする方までいる病気です。

また、十二指腸潰瘍の患者さんは、原因の一つともいわれているピロリ菌の感染率も非常に高いといわれています。そして、十二指腸潰瘍の症状はストレスが進行を早める、症状を悪化させるという風にも言われているため、ストレス社会における現代では増えてきている病気なのです。

胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違いって?

胃潰瘍と十二指腸潰瘍とはどう違うのか、具体的に紹介していきます。潰瘍のできる場所は、潰瘍が胃にできているのか、十二指腸にできているのかという違いがあります。

年齢層

胃潰瘍の場合、40代〜50代の中年層に多くみられる症状ですが、十二指腸潰瘍の場合は20代〜40代に見られるといった若い層に多く見られる病気となっています。

症状の進行

どちらも、潰瘍ができた状態で放置していると悪化をたどる一方になってしまう病気ですが、筋層が薄い十二指腸潰瘍のほうが、穴が開いてしまう確率が高くなっています。穴が開く(=穿孔)状態になると、激しい痛みを伴うため、日常生活にも影響が出てきます。一般的に、気持ちで我慢できる程度のものではないことが多いです。

症状の特徴

胃潰瘍は、食後すぐはしばらく痛みの症状が治まることが多いですが、比較的早く痛みが復活します。十二指腸潰瘍は、食後、お腹が空腹になるまでは痛みが治まっていることが多く見られます。

十二指腸潰瘍の症状とは?

十二指腸潰瘍の症状としては、以下のようなものが挙げられます。

・食欲不振

・お腹がキリキリするような痛み

・空腹時のお腹の痛み

・下腹部の違和感

・胸やけ

初期のころから、こういった症状を訴える患者さんが多くなっていますが、一番わかりやすいのが空腹時の痛みです。

十二指腸潰瘍の原因はストレス?

十二指腸潰瘍の原因の多くが、ストレスだといわれています。ストレスがたまり、うまく発散することが出来ない状態が続いてしまうと、自律神経が乱れてしまい、うまく十二指腸の働きを制御することができません。自律神経が乱れた状態だと、十二指腸の粘膜に血液が正常に流れなくなってしまい、表面に傷ができやすくなってしまいます。

そんな状態の十二指腸に胃酸が流れ込むことで、潰瘍ができてしまうというメカニズムで素。また、20代〜40代の若い世代の人たちは、それ以降の世代の方に比べて胃酸の分泌も盛んです。

そのため、「粘膜が弱っている状態」と、「盛んな胃酸の分泌」という要素が相まって、若い世代に比較的多くみられる病気として言われています。

多くの原因がストレスだといわれていますが、そのほかにも喫煙や暴飲暴食など、消化器に負担をかける生活を長く続けている場合でも、十二指腸の働きが弱まったり、粘膜が傷つきやすくなったりして発症する場合もあります。

十二指腸潰瘍の治療法とは?

十二指腸潰瘍の治療法は、薬物療法が一般的です。十二指腸潰瘍の患者さんの多くが、ピロリ菌に感染していることが多いため、ピロリ菌を除去するための薬を飲む必要があります。そのほか、ピロリ菌に感染していなかった場合でも、潰瘍の炎症を抑え治癒させるための抗生剤などの服用をします。

大体、1週間ほどは抗生剤の服用が必要となります。このときに注意してほしいのは、症状が無くなったからといって、自己判断で薬を飲むのをやめないことです。

ピロリ菌の感染や、治りかけの潰瘍の場合は自覚症状が薄れてくる場合も多いですが、完全に治っているわけではありません。医師に処方された薬は基本的に飲みきるということが大切です。

飲むのをどうしてもやめたいという場合や「本当に飲む必要があるのか?」と疑問に思う場合は、医師に聞いてみるようにしましょう。穿孔という穴が開いてしまった状態になっている場合は、手術が必要になる場合もあります。

出血がひどい場合や、潰瘍が邪魔をして消化器としてうまく機能できない場合など、緊急を要する場合に判断されることが多いため、医師の指示に従うようにしましょう。