注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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白血球の数値が異常に高かった…

先天性のものではなく、今まで何もなかったのに、ある年血液検査をしたら急に白血球の数値が異常に高かった…という経験がある人もいるのではないでしょうか。このような場合は、まず第一に「感染症」の疑いがあります。

白血球はもともとウィルスや細菌が外部から侵入してきたときに、それに反応して対抗するという働きを持っています。

そのため、ウィルスや細菌が体内に侵入してきたと判断した場合に、その数を増やし、侵入してきたウィルスや細菌を倒そうとする働きが起こります。ちょうどそのタイミングで血液検査などを受けた場合、白血球の数が異常に多く出てしまうということがよくあります。

そのほか、ここ1ヶ月ほどの間に急激なストレスがたまったという場合でも、白血球が身体を守ろうと働き、数が増えることがあります。このように、白血球は身体を守ろうとする働きがあるため、身体が弱っているときや何かしらのウィルスや細菌と戦うときに増えるという傾向があります。

白血球とは?

白血球は、無色透明です。集まると白く見えるため、白血球といいます。怪我をしたときに、傷口から白い膿が出ることがありますが、それは白血球の死骸です。成人だと、白血球は1日に1000億個ほど骨髄で作られて、「好中球」「好塩基球」「リンパ球」「単球」「好酸球」の5このいずれかになります。

好中球

好中球は、白血球の約45〜75%を占め、細菌などの感染を防止し、傷や炎症を治す働きがあります。普段は、血中に細菌が侵入すると、血管の壁を通り抜けて感染場所に移動し、分解する役割があります。

好塩基球

好塩基球は、白血球の3%以下と言われています・おもに、免疫監視を行っており、感染した箇所があるとほかの白血球を呼ぶ物質を放出し、細菌撃退に備え、傷の治癒の役割もあります。

リンパ球

リンパ球は、白血球の約20〜40%を占めます。活発に細菌を退治する能力はないですが、抗体を作り、異物が侵入すると他の白血球のために動く役割を担っています。

好酸球

白血球の約7%以下が、好酸球と言われます。おもに寄生虫から体を守る役割があります。寄生虫により感染したときは、この好酸球が増えて寄生虫を退治します。しかし、気管支喘息・アレルギー性鼻炎などのアレルギー反応による炎症の原因とも考えられています。

白血球が多くなる原因は?

白血球が多くなる原因として、具体的なものとしては、以下のようなことが挙げられます。

・インフルエンザや風邪に罹っている ・アトピー性皮膚炎

こういった、外部のウィルスや細菌と戦うため、単なる風邪であっても一時的に白血球は増えます。この白血球の働きによって、私たち人間の身体はウィルスや細菌から守られているということを知っておきましょう。

ストレスが溜まっている

短期的なストレスの場合、身体を守ろうとして白血球が増えることが多くあります。逆に、長期的にストレス状態にあり、ストレスが慢性化しているような状態では白血球の数は落ち着いてくる傾向にあります。

喫煙

喫煙も、実は白血球の数を多くしてしまう可能性があるといわれています。これは、喫煙によって動脈硬化など身体の内部のどこかで炎症を引き起こしてしまい、その炎症を治し身体を守ろうとして白血球が増えるということが考えられます。たばこをよく吸う方は、動脈硬化以外にも怖い病気が潜んでいることもあるため、医師に早めに相談するのがいいでしょう。

運動

血液検査の直前に運動をしていると白血球が増加する原因となることもあるようです。運動をすると、血流の流れが早くなり、組織からの白血球が血中へ出ていくようになり、血液検査のときに白血球の数が多く検出されてしまいます。このようなことを回避するために、血液検査の前にはできるだけ運動は避けて、落ち着いた状態で検査するようにしましょう。

考えられる疾患

膀胱炎

トイレの我慢のし過ぎなどでよく知られる膀胱炎も、膀胱の炎症の一つです。この場合、炎症を早く治すために白血球がはたらき、数が増えるという傾向にあります。

尿毒症

尿毒症とは、尿をろ過する働きをしている腎臓の機能が低下してしまうことによって様々な合併症を引き起こしてしまう怖い病気です。尿毒症の症状として、むくみや食欲低下のほかに、白血球の増加ということが挙げられています。

白血病

白血球の病気としてはイメージが強い白血病ですが、白血病は血液のがんと呼ばれるほど、恐ろしい病気です。白血球に罹っている方も、異常に白血球の数値が高いという症状が現れます。このほか、動機がする、皮膚に赤い斑点ができる、寒気がするといった症状も見られますが、初期症状はほとんど自覚することが難しいといわれています。

その他の病気も

他にも下のような病気も白血球の数に影響を与えるようです。

  • 敗血病
  • 腎不全
  • 肺不全
  • 扁桃腺炎
  • 虫垂炎
  • 鼻炎
  • インフルエンザ
  • 食物アレルギー
  • 膀胱炎

血液検査で白血球が異常に高く、日を置いて再検査しても改善が見られないというような場合には早めに医師に相談が必要です。

白血球が多い場合は気をつけよう

紹介したように、白血球が多いというのは、何かの病気や感染症などの疑いが多く見られます。白血球が増えることはあくまでも、「身体の中で白血球が何かと戦っている」という目安にすぎません。そのため、白血球が何と戦っているのか、ということを明確にしそれによって出てきた病気を治療するという方法になります。

単純に、白血球の数値が高い=白血球の数値を減らす治療をするというわけではないということを知っておきましょう。ただ、紹介した通り白血球は単なる風邪や短期的なストレスでも一時的に数値が上がることが多く見られますので、一度の血液検査だけで異常を唱えられることはありません。

年齢やそのほかの項目の数値との兼ね合いなど、個人差はありますが、大体がある程度期間を置いてから、体調がいいときに再度血液検査をしてもう一度数値を確認します。それでも改善が見られず、長期的に白血球の数値が高い状態ということが分かれば、風邪などの一過性の病気ではないことを視野に入れて、精密検査が行われることになるでしょう。

早めに対処しよう!

紹介したように、白血球の増加というのは、単なる風邪から白血病という血液のがんなど幅広い可能性が考えられるため、単純に数値で予測することはできません。再度検査をしたら、通常の数値に戻っていて、「よく考えれば前回の時風邪っぽかったな…」なんて人もいれば、精密検査をすることになり、大きな病気が見つかるという方までさまざまです。

血液検査でわかるのは白血球の数値だけではありませんから、それらから考えられる病気といいうのももちろんありますが、まずは病院で相談するということを頭に入れておきましょう。

逆に言うと、「白血球の数値が高いけれど、風邪気味の日に検査したからそれだと思う」と自己判断で放置すると、怖い病気を見逃してしまうことにもなりかねません。

白血球の数値の上昇は、身体が何かと戦っているサインだということを自覚し、早めに病院で相談し指示をもらうようにしましょう。病気はなんでも早期発見が治療のカギとなることを覚えておきましょう。