注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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低血糖症とは?

低血糖症とは、急激な血糖値の低下が原因で頭痛や手足の震え、動悸や脱力感に不安感といった様々な症状が現れる病気のことです。健康な人間の正常な血糖値は約70〜110mg/dLであり、この数値を下回っている状態が低血糖だといえます。激しい運動や過度な食事制限などが原因で血糖値が低下した場合に発症しますが、主にインスリン治療や経口血糖降下剤の投与などを行っている糖尿病患者が発症しやすい症状です。そして低血糖症を発症した時は、ブドウ糖などの身体に吸収されやすい糖分を摂取することで多くの場合は症状が回復します。

しかし、低血糖症は他の病気の影響で症状を自覚できないと治療が遅れて、症状が深刻化します。そして症状が重くなってしまうと、意識を失ってしまう場合があります。そのため、低血糖症を発症しやすい糖尿病患者はそうした場合に周囲の手助けを受けるための、個人情報や主治医の名前、電話番号などが書かれた「糖尿病患者用IDカード」を持ち歩いています。また、低血糖の方は血糖値のコントロールが可能などの条件を満たさないと運転免許証が交付されません。

低血糖症の原因とは?

低血糖症を引き起こす主な原因には様々な種類が存在します。しかし、それらの原因は「内因性」と「外因性」で大きく2種類に分けることが出来ます。内因性の原因の一つが「反応性低血糖」であり、長期間に渡る過度な糖分の摂取が原因でインスリン分泌のコントロール機能が低下し、糖質を摂取した際にインスリンが過剰分泌されることが原因で血糖値が急激に低下することが原因で発症します。そして外因性の発症原因は、糖尿病治療薬や抗不整脈薬の使用や、空腹時のアルコール摂取などです。また、糖尿病が原因でインスリン投与を受けている方が食事で十分な糖質を摂取しなかったり、激しい運動をして血糖値が下がりすぎた場合なども低血糖症を発症します。

また、体質によっては一般的な人間よりも低血糖症を発症する可能性が高い場合があります。胃酸過多症や下垂症、または貧血になりやすい方などは低血糖症を発症しやすい体質の可能性があります。その他にも、先天的な糖尿病体質や肝臓の機能障害を抱えていたり、アレルギー体質を持っている方などは、通常よりも低血糖症を発症しやすい場合があります。

低血糖症の症状とは?

低血糖症を発症すると、朝に起きるのがつらくなったり、つよい疲労感に襲われるなど様々な症状が現れます。そして、このような低血糖症を発症した場合に起きる様々な症状は、大きく「自律神経症状」と「中枢神経症状」の2つに分けることが出来ます。自律神経症状では、手足の震えや発汗に頻脈、そして動悸や不安感、空腹感などの症状が現れます。こうした症状は統合失調症やパニック障害などの症状と似ているため、病院で誤診される可能性があります。そして中枢神経症状では、頭痛や目のかすみに集中力の低下、または脱力感や眠気目眩などの症状が現れます。また、ろれつが回らなくなったり、目の前のものが二重に見える場合などもあります。

そして、低血糖症の症状がさらに進行すると意識障害が起こる場合があります。意識が混乱して自分が現在どこに居てなにをしているのか認識することが出来なくなり、さらに症状が進んで昏睡状態に陥ると命に関わる場合もあります。そして、こうした状態では本人が症状を自覚したり自分で対処することが出来ないため、周囲の介助が必要となります。

低血糖症はどうやって発症する…?

低血糖症は目立った兆候もなく発症する可能性があります。以前に低血糖症を発症した経験がある方の場合は、自分が発症した時の症状や発症したタイミングなどの特徴をよく覚えてくことで、突然低血糖症を発症した場合でも対処しやすくなります。

主に食事の直後や血糖降下剤を投与した後、あるいは運動の後や空腹時などは血糖値が変動しやすくなるため注意が必要です。そして、低血糖症と同じ症状でも違う病気が原因の場合があるため、血糖値を管理している方は血糖値を測定してみることが大切です。

しかし、糖尿病の合併症の一つである神経障害が起きると、血糖値が低下ても低血糖症状を自覚することが出来ず、対処しないまま症状が深刻化して突然倒れたり危険な状態に陥る可能性があります。そうした場合に役立つのが糖尿病患者用IDカードです。糖尿病患者用IDカードは深刻な低血糖症が原因で倒れた場合に周囲の人々や医療関係者などに自分が糖尿病であることを知らせて正しい処置を受けるためのカードです。そのため糖尿病患者の方はこのカードを必ず持ち歩くことが大切です。

低血糖症を発症したときは?

低血糖症を発症した場合は、意識があるなら砂糖やブドウ糖などの素早く吸収される糖分を10gから15gほど摂取することで症状を治療出来ます。この場合、糖分を含んだ缶ジュースや缶コーヒーなどの飲料を利用しても問題ありません。そして、10分から15分ほど待って症状が回復しない場合は、再び同じくらいの量の糖分を摂取します。しかし、薬が原因で低血糖症を発症している時は、糖分が吸収されにくく症状の回復が遅れる場合があります。しかし、こうした場合でもブドウ糖はすぐに身体に吸収されるため、低血糖症を治療することが出来ます。

また、意識を失った場合は周囲の人々の協力が必要です。そのため、日頃から家族や友人などに基本的な治療法を伝えておくことが大切です。そして低血糖症が原因で意識を失った方の治療を行う場合は、唇と歯茎の間にブドウ糖を刷り込んだり、糖尿病患者がグルカゴン注射を携帯している場合はそれを打つことが効果的です。それでも症状に改善がみられない場合は病院へ搬送してもらい、医師の治療を受けさせることが大切です。また、病院では主にグルカゴンの筋肉注射やブドウ糖の静脈注射などが行われます。