注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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間質性肺炎とは?

間質性肺炎とは、よく聞く肺炎とは異なる疾患です。肺は呼吸を司る器官です。通常心臓の左右に1対存在します。肺には肺胞と言われる小さな袋状の構造物があります。この肺胞がぶどうの房状にたくさん集まって、肺が構成されています。この肺胞で酸素と二酸化炭素の交換を行うのがいわゆる呼吸です。

肺炎は肺胞性肺炎と間質性肺炎に分類されます。肺胞性肺炎肺炎とは一般的に肺炎と言われるもので、気管支や肺胞の炎症のことを言います。激しい咳や発熱が代表的な症状です。風邪やインフルエンザ、マイコプラズマなどの感染症が原因で発症することが多い疾患です。炎症なので抗生剤による治療が一般的です。

対して間質性肺炎は、肺胞の壁に炎症が起きた状態です。一定期間、なんらかの原因で肺胞が障害されることで炎症が生じ、それによって肺が固くなります。その結果肺が膨らみにくくなったり、肺胞での酸素と二酸化炭素の交換機能が正常に作動しなくなったりします。

間質性肺炎の原因は?

間質性肺炎の原因は主に5つです。

じん肺

空中に浮遊する粉塵を肺に吸入することで起こります。職業が大きく関係しており、鉱山やトンネル工事などに就業していたかたに起こる珪肺と、造船業や建設業に就業していたかたに起こる石綿肺があります。

過敏性肺炎

アレルギー物質によるものです。ほこりやカビ、ペットの毛などが原因物質となります。

薬剤性肺炎

薬剤を点滴したり、内服したりすることで偶発的に起こるものです。抗がん剤など細胞を障害する薬剤が原因で起こるものと、抗生物質などが体内でアレルギー反応を起こして生じるものがあります。

放射線肺炎

放射線を肺に照射することで生じるものです。レントゲンやCTなど診断に用いる放射線は弱いため放射線肺炎を生じることはほとんどありません。がんなどの放射線治療に用いる放射線は非常にパワーが強いため、治療の過程で放射線肺炎を併発することがあります。

感染症

インフルエンザウイルスやマイコプラズマウイルスなどの細菌やウイルスによるものです。通常一過性のものです。

間質性肺炎の症状は?

間質性肺炎の特徴的な症状は2つです。

息切れ

初期の場合、ほとんど自覚症状がありません。これがあるていど進行すると、運動をしたり坂道や階段を登るときなど、激しく動いたときに異常な息切れがします。さらに進行してくると、着替えをしたり家の中を歩行したりという日常動作だけでも息切れがするようになります。実際にはここまで重度の間質性肺炎になるには数年単位の歳月がかかります。これは、肺胞の壁が固くなって上手くガス交換が行えないようになるためです。

乾いた慢性的な咳

乾いた咳とは痰のからまない咳です。「コンコン」と乾いた音する咳です。風邪などの感染症で生じることが多いですが、この場合は数日から数週間の短期間で治まります。これが長期化し、慢性的に乾いた咳が出るようになると、間質性肺炎を疑います。

さらに注意が必要なのが急性憎悪した場合です。間質性肺炎が急性憎悪すると呼吸不全を生じることがあり、最悪の場合死に至ることもあります。

間質性肺炎の治療は?

治療の流れをご説明します。

検査と診断

間質性肺炎の主な診断方法は問診、画像診断、血液検査です。まずは問診を行います。項目としては、現在の症状や粉塵の暴露歴、ペットの有無、薬剤アレルギーの有無などがあります。また、聴音や咽頭など身体所見もあわせて聴取します。

次に、画像診断を行います。主な検査はレントゲンとCT検査です。これらの検査で肺の内部の画像上の状態を見ることができます。

血液検査では赤血球沈降速度や炎症反応のCRP、肺の線維化と関係のあるKL-6やLDHなどが検査されます。また、除外目的で自己抗体やサルコイドーシスなどの抗体検査も行われます。

治療

上記の方法で間質性肺炎と診断がつけば治療に移ります。まずは日常生活で間質性肺炎の原因になるものを避けるようにします。粉塵の暴露を避けたり原因となる薬剤を中止したり、感染症を予防したりします。次に、治療薬が使用されます。主な治療薬は3つです。

#### ステロイド 副腎皮質ステロイド剤で、抗炎症作用とアレルギーを抑える作用があります。

免疫抑制剤

自己免疫の異常やアレルギーが原因の場合に使用されます。免疫を抑えて細胞を攻撃しなくする作用があります。

ピルフェニドン

ピルフェニドンは抗線維化剤です。間質性肺炎で生じる線維化の進行を遅らせることができます。

間質性肺炎について詳しくなろう

今回の内容についてまとめます。

・間質性肺炎は肺胞の壁に炎症が起こる疾患

・原因としては粉塵やアレルギー物質、薬剤、放射線、細菌やウイルスによる感染症などがある

・代表的な症状は「息切れ」と「乾いた慢性的な咳」

・症状が進行すると軽い動作で息切れが生じるようになる

・さらに進行すると日常動作でも息切れが生じるようになる

・急性憎悪すると呼吸不全で死に至ることもある

・診断は問診や画像診断、血液検査などで行われる

・治療方法としては薬剤療法が一般的

・抗炎症作用、抗アレルギー作用がある副腎皮質ステロイドが使用される

・自己免疫の異常やアレルギーの場合は免疫抑制剤が使用される

・ピルフェニドンは肺の線維化を遅らせることができる

間質性肺炎は発症すると完治は難しい病気です。正しく理解して適切な診断を受けるとともに、適切な治療を受けることで重症化を防止したり、病状の進行を遅らせることができます。

思い当たる方は早めの医療機関への受診をおすすめします。