注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

Sponsered Link

空腹時に胃が痛い…

胃潰瘍とは、胃液によって胃の内部が傷つけられて、強い痛みや胸焼けなどを感じる症状のことです。健康な状態の胃の内部は粘膜に覆われているため、人体を破壊するほどの強い酸化作用を持った胃液の影響から胃壁が守られています。しかし、何らかの原因によって胃の粘膜が薄くなる場合があります。そして、症状が進行して胃壁を守る役割を担う胃の粘膜が破壊されると、胃液が無防備な状態の胃壁を傷つけてしまうため、吐き気や胸焼け、心窩部痛(みぞおちの痛み)などの症状が現れます。

胃潰瘍が悪化すると粘膜で守られなくなった胃壁が胃酸によって傷つけられて、胃壁に穴が開くことにより激しい痛みを感じます。また、胃の血管が破れて出血することによって吐血する場合などもあります。そして胃潰瘍は、主にピロリ菌やストレス、暴飲暴食や喫煙などが原因で胃の粘膜が薄くなったり、胃液が過剰分泌されることによって発症します。また、胃潰瘍を発症すると空腹時にみぞおちに痛みを感じますが、こうしたみぞおちの痛みは胃潰瘍以外の病気が関係している場合もあるため注意が必要です。

胃潰瘍になる原因って?

胃潰瘍は様々な原因から発症する可能性のある症状ですが、主な原因と考えられているのがピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の影響です。ピロリ菌とは胃の粘膜に棲みついている悪玉菌のことであり、発見されて間もない菌のなので感染経路の全容はまだ解明されていませんが、主にピロリ菌に汚染された水や食べ物を摂取することにより感染すると考えられています。20代だと2割程度、50代以上だと8割以上がピロリ菌に感染しているといわれます。

また、一度でもピロリ菌に感染すると、除菌しないかぎりピロリ菌は胃の中に棲みつづけます。そして、ピロリ菌が作り出す物質には胃の粘膜を傷つける作用があるため、ピロリ菌が原因で胃の粘膜がただれたり胃壁に穴が開くなど、胃潰瘍の症状を発症する場合があります。

また、ストレスが間接的に胃潰瘍を引き起こす場合があります。ストレスの影響によって自律神経が乱れると、胃のぜん動運動が活発になり胃酸が過剰分泌されることで、胃の粘膜が薄くなります。そして胃液により胃壁が傷つけられることで、胃潰瘍に発展する場合があります。その他にも、暴飲暴食や喫煙などが原因で同様に胃液が過剰に分泌されて胃潰瘍に発展する場合があります。また、過度な飲酒が胃の粘膜や消化液に及ぼす影響が原因で胃潰瘍を発症する可能性もあります。

胃潰瘍の症状は?

胃潰瘍を発症した場合の、主な症状の1つが上腹部の中心にあたる場所、一般的に「みぞおち」と呼ばれている部分の痛みです。胃潰瘍を発症した人間のおよそ3分の2以上がみぞおちの疼きや鈍い痛み、焼けるような感覚を感じます。また、症状には個人差があるため、特に症状を感じない場合もあります。そして主にみぞおちの痛みは、食後1時間から1時間半ほどが経って胃の内容物が排出される際に発生します。しかし、痛みが激しいほど症状が進行しているわけではありません。

さらに胃潰瘍の症状が悪化した場合に、吐血することがあります。胃の粘膜の奥には血管がありますが、胃潰瘍によって胃壁がただれることで血管が露出した状態になる場合があります。そして胃潰瘍が進行して血管が破裂することにより吐血が起きます。また、胃の中で出血が起きた時に、強い腹痛や冷や汗、脈拍の乱れや血圧の低下といった症状が現れる場合があります。そして、少量の吐血ならば医療機関の診療時間に合わせて受診しても大丈夫ですが、吐血量が多い場合は救急車を呼ぶ必要があります。そして、胃で出血が起きた場合は吐血だけではなく、「タール便」と呼ばれる真っ黒な大便が排泄される場合があります。

他の病気の可能性もある?

多くの人々が胃の異常が原因だと考えるみぞおち付近の痛みは、必ずしも胃の病気だけが原因だとは限りません。心臓や膵臓に肝臓、肺や十二指腸など、様々な部位で起きた異常が原因として考えられます。しかし、起床時や食事前など、かならず空腹時にだけ胃痛を感じるという場合は、消化器系に何らかの病気を発症していると考えられます。

この場合は主に胃潰瘍や胃炎、十二指腸潰瘍などを発症している可能性がありますが、空腹時に感じる強い痛みが食事を摂ることで急に薄れて身体が楽になる場合は、十二指腸潰瘍の可能性が考えられます。十二指腸とは食べ物が胃の次に流れ込む場所であり、この場所も胃潰瘍と同様にピロリ菌やストレス、暴飲暴食や喫煙などが原因で潰瘍ができます。

そして、空腹時に感じる痛みの原因が十二指腸潰瘍や胃潰瘍、胃炎のどれにしても、早い段階で治療を開始すれば薬のみで治すことが可能です。そのため、空腹時の痛みが長引いて違和感を感じた場合は、無理に我慢をせずに早い段階で消化器内科で受診することが大切です。また、すぐに病院の治療を受ける必要があるとは思えない程度の痛みでも、胃潰瘍が原因の場合は胃に負担をかけると症状が悪化する可能性があります。そのため胃液の分泌量を増やす塩分の多い食品の摂取を減らして、煮込みうどんやお粥などの胃に負担をかけない食事を摂りながら様子をみることが大切です。

自己判断はせず病院へ!

胃潰瘍とはピロリ菌やストレス、暴飲暴食や喫煙などの原因によって胃の粘膜が薄れて、強力な酸化作用を持った胃液が胃の内部を傷つけることで胃壁がただれる症状のことです。主にピロリ菌の影響が原因で発症する症状ですが、ピロリ菌は一度でも感染すると除菌を行わないかぎり胃の内部からなくなることはありません。

そして、胃潰瘍を発症するとほとんどの場合はみぞおち付近に焼けるような感覚や鈍い痛みなどを感じます。そして、胃潰瘍の症状が進行して胃の血管が敗れると出血して吐血に発展する場合があります。少量の吐血なら慌てずに病院の治療を受けることで対処できますが、吐血量が多い場合は救急車を呼ぶ必要があります。

また、空腹時に胃の痛みを感じる場合は、胃潰瘍の以外にも胃炎や十二指腸潰瘍などを発症している可能性があります。そして、いずれの症状も早い段階から治療を開始すると薬だけで治すことが可能なため、空腹時に痛みを感じたら早めに病院で受診することが大切です。そして、胃潰瘍によって胃に痛みを感じている場合は、胃液の分泌量を増やす原因である塩分を多く含んだ食品の摂取をなるべく控えて、煮込みうどんなどの胃に負担をかけない食事を摂りながら胃の回復を待ちましょう。