注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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多血症とは

多血症とは、血液中の赤血球数が絶対的又は相対的に異常なほどに増加する病気のことで貧血とは逆の病気ということになります。多血症を発症すると血液中に血栓が発生しやすくなり、最悪の場合には心筋梗塞・脳梗塞を引き起こす可能性があります。

診断基準

赤血球数が男性で600万/μl、女性で550万/μl以上、ヘモグロビンが男性で18g/dl,女性で16g/dl以上、ヘマトクリット値が男性で51%、女性で48%以上の場合となります。

多血症の種類

真性多血症(血液の腫瘍性)

赤血球数だけではなく、白血球数又は血小板数も増加する病気です。確定診断には骨髄検査が必要です。

二次性多血症

肺及び心疾患などの原因疾患によって、慢性的な酸素不足の状態を避けるために赤血球が異常に産生される状態の病気です。

相対的多血症

循環血漿量が減少して赤血球数が増えているように見えてしまう状態の病気です。

このように、多血症とは血液中に含まれる赤血球数が相対的・絶対的に増加する血液のことをあらわし、赤血球数が増加することによって生じる様々な疾患と状態を含めた病気の概念を意味しています。

多血症の原因

真性多血症

骨髄の働きが異常に強くなし、骨髄にある造血幹細胞が腫瘍のように急速に増殖することが原因であると言われています。

二次性多血症

造血する働きのあるエリスロポエチンの量が何らかの原因で増加することによって赤血球数が増加することになります。その増加の仕方は身体の組織が酸素欠乏の状態になったことに反応しエリスロポエチンが腎臓又は肝臓で産生される場合と腎臓腫瘍などによってエリスロポエチンを産生する細胞が急速に増加または自律的に増加するというような場合があります。二次性多血症の発症には、必ず原因となる基礎疾患がありますので、その疾患を探ることが重要です。

相対的多血症

下痢・おう吐。糖尿病などからくる脱水症状、様々な疾患又は生活習慣病からくるストレス状態などから身体の細胞又は組織と血液との間での水分のバランスが崩れることによって、循環している血漿量が減少して赤血球の濃度増加することが原因となります。

多血症の症状

一般的な多血症の症状は赤血球数の急速な増加している場合には、血液の粘度が増加し、血液の流れが悪くなることからくる赤面・頭痛・めまい・耳鳴り・のぼせ・ほてり感などが症状としてあらわれます。真性多血症の場合には、高血圧の症状を呈し、皮膚のかゆみ、鼻血、内出血、結膜の充血又は胃潰瘍のような出血傾向の症状もあらわれます。その他には脾臓の腫れ、チアノーゼ症状の顔色・唇・指先が紫色へ変色するような症状が発生する場合もあります。

多血症の特徴である血液中の血栓が発生しやすいことから脳梗塞又は心筋梗塞の症状を引き起こす場合もありますので注意が必要です。

相対的多血症の場合には赤血球数以外のエリスロポエチン、白血球数、血小板数、B12、好中球アルカリフォスファターゼなどの検査数値は正常であることが多いため、特別な症状としてあらわれることが少ないという特徴がありますので、見落とされるケースが多いので注意が必要です。原因となる脱水症状である下痢などの症状は散見されます。

多血症の検査方法

血液酸素飽和度測定

血液中の酸素不足がないことを確認する検査です。

血液検査

赤血球の数を調べます。血中エリスロポエチン濃度が低下している場合、二次性多血症の可能性が高まるため原因検査の一つとして測定します。

骨髄検査

骨髄に針を刺して細胞を一部抜き取って顕微鏡で観察します。真性多血症か二次性多血症か、また他の病気(慢性骨髄性白血病など)ではないかどうか確認するために必要な検査となっています。

画像検査

CT、MRI検査となります。二次性赤血球増加症の原因となりうる病気(がんなど)がないかを調べます。

引用元:https://medley.life

多血症の治療方法

多血症の治療は真性多血症・二次性多血症・相対的多血症によって大きく異なります。相対的多血症の場合には原因となっている脱水症状の改善するために水分の経口補給か点滴が基本的な治療を実施し症状を改善します。真性多血症の治療としては赤血球数を減少させるために、一回に400ml程度の血液をゆっくりと抜く瀉血を基本的な治療として血液の粘度を一定にします。さらにヒドロキシカルバミド・ブズルファンなどの抗がん剤の投与などの化学療法を使用します。また、場合によって放射線療法を行うときもあります。二次性多血症の場合にはエリスロポエチンの分泌の要因となる生活習慣病又は基礎疾患の治療を最優先におこないます。すなはち、合併症を管理することが二次性多血症の治療の基本的な方針となります。

しかし、原因の解消が難しい場合、合併症の発症の可能性がある場合又はヘマトクリット値が異常に高い場合には瀉血の治療を適宜導入することもあります。

注意点

多血症の場合には特に厳しい食事制限は設定されていませんが、注意しなければいけないことは血液の流れを悪くする悪玉コレステロール値を増加させるような食材を積極的に摂取することは避けてください。肥満・高血圧・高脂血症のような生活習慣病を引き起こすような食事は避けてください。食事の際の注意点を次に掲げます。

食事のときには水分補給

血液がドロドロになるのを防ぐためにも、食事の際には水を積極的に飲むように心がけてください。

食事の順番に気をつけてください

自分の好きなものから食べることをやめて、まずは野菜から食べなるべくよく噛んで食べてください。よく噛むことによって満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを防ぎます。血液をサラサラにする食材を積極的に取り入れてください。

鉄分の多い食材は避ける

多血症の場合に造血する働きのある、ほうれん草、牛肉、卵、レバー、しじみなどの食材は避けてください。しかし、栄養のバランスだけは意識して考えて選んでください。