長引く胃痛って病気なの?慢性胃炎の症状から原因までを解説
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胃炎は2つに分けられる!
胃炎とは胃の粘膜に炎症がおこる状態です。胃炎は大きく分けて「急性胃炎」と「慢性胃炎」に分けられます。
急性胃炎
急性胃炎はストレスやお酒の飲みすぎなどが原因で、胃に負担がかかる状態があって短期に症状が起こります。原因を取り除くと回復しやすいのが特徴です。
慢性胃炎
それとは違った慢性胃炎は、胃炎の症状が長期間続きます。繰り返し起こることで胃粘膜が変化してしまう状態で、完治するのが難しい病気です。慢性胃炎と言っても、細かく分類すると胃粘膜の表面で軽い炎症がある「表層性胃炎」や、炎症によって胃炎幕がえぐれた状態になる「びらん性胃炎」、「萎縮性胃炎」や胃粘膜表面が正常より暑くなる状態の「肥厚性胃炎」に分類されます。いちばん多い症状は、萎縮性胃炎で胃粘膜の炎症が長く続いたため、胃粘膜自体が委縮して薄くなる状態になる慢性胃炎が多いです。また、最近では胃粘膜に何の異常も見られないのに慢性的に胃の不快感を感じるNUDという病気もあります。
慢性胃炎の原因とは?
慢性胃炎の原因はいったいなんでしょう?少し前までは年をとったから、なんて言われていましたが、どうやら違うようです。食べ物を消化する胃液は、自分の胃粘膜を溶かしてしまうほど強い力を持っていますが、実際に胃粘膜を溶かすような事は起こりませんよね。
これは、胃壁から分泌される粘液が胃粘膜を保護してくれるからです。この胃粘液は年齢と共に防御本能が徐々に衰えると言われています。
そのため、一昔前までは加齢が原因だと思い込まれていました。ところが、1982年にピロリ菌が発見され、今まで加齢の為だと考えられていた原因は大きく覆されました。今では慢性胃炎の原因は、ほとんどがピロリ菌による感染だとされています。
ピロリ菌はどんな菌なのでしょう?正式名称はヘリコバクター・ピロリ菌と呼ばれる細菌です。日本人の約半数が持っており、その多くが5才位までの間に家族から感染したと考えられています。感染したピロリ菌が胃に棲みつくと、ピロリ菌がアンモニアを生成します。ピロリ菌が発生したアンモニアが、胃の粘膜を刺激することで、炎症が起こって慢性胃炎になります。
どんな症状が出る?
慢性胃炎になるとどのような症状が出るのでしょうか?まず、胃の働きが低下するため胃のあたりが膨満感に感じます。何となく胃が持たれた感じやご飯を食べた後にくる腹痛もあり、時には空腹時にお腹が痛くなる時もあります。このように、何となく胃に不快感があるといった軽い症状の場合もあります。炎症が強くなると、食欲がなくなったり胃がムカムカする胸やけ、吐き気や嘔吐など急性胃炎の症状にも似た激しい症状が表れる事があります。
これとは逆に、ほとんど症状が出ない場合もあり、知らないうちに慢性胃炎になるケースもあります。軽い症状から激しい痛みまで幅広い症状が出ますが、軽いからと放っておくといい事は無いので病院へ行くことをおすすめします。
また、過度の喫煙や飲酒が続くと胃に刺激が繰り返し加わるので、慢性的に炎症を起こしやすくなります。年齢を重ねるごとに注意をして、胃の不快感が続くようですと専門医の受診が必要になってくると思われます。
治療方法は?
主な治療法はピロリ菌を除菌する方法となります。ピロリ菌を除去することで慢性胃炎の進行を抑制することができます。臨床実件で萎縮した胃粘膜の改善が認められこの方法で治療するのが主流となってきています。慢性胃炎が疑われると、ピロリ菌の感染検査と内視鏡検査でピロリ菌が存在する慢性胃炎がどうかをチェックします。ピロリ菌が原因だとわかったら、2種類の抗生剤を7日間服用後8周間たったら再検査をします。
その結果、ピロリ菌が確認されたら2回目の除菌治療を行います。この、除菌療法ではピロリ菌を完全に除去できる割合は、60%〜70%と言われえています。全くいなくなるわけでは無いので、一度かかったら再発する場合があるという事ですね。自覚症状が無くなっても安心せずに、主治医の指示をきちんと守って薬の服用を続けることも大切です。また、規則正しい生活を送って胃に負担をかけない食事や良く噛んで食べることも心がけましょう。
自己判断はせず、病院へ!
何となく胃が痛くても我慢してしまったり、一過性のものだと自己判断してしまうケースがあります。長く続く場合は慢性胃炎の可能性があるので、一度受診してみる事をおすすめします。慢性胃炎のピロリ菌の除去療法は2013年2月から保険が使えるようになりました。保険証を持っている人なら負担が少なく治療に専念できるので、専門家への受診が安心です。
ただし、保険適用は2回目の除菌治療までです。慢性胃炎の他にも胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合、ピロリ菌の除菌療法にも保険適用されるので安心して受診ができます。薬をもらったら、医師の指示どおりに服用を続けることが大切です。自己判断で、治療途中に薬を服用しなくなると再発の恐れがある病気なので、自覚症状がなくなっても指示通り服用しましょう。ピロリ菌の除去は若いうちに行うと、異種性胃炎の予防効果があると言われています。今はまだ大丈夫と思わないで、胃の痛みが続くようなら若い世代の人でも早めに受診したほうが良いでしょう。自己判断はぜずに病院へ行って相談してみましょう。