注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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胆石とは?

胆石とは肝臓の中に石ができてしまう病気のことです。この石は、本物の石ではありません。肝臓は食べ物の消化を助ける、胆汁という液を作ります。胆汁は胆管という場所を通り、胃腸などに送り出されていくのですが、その途中で胆汁が固まってしまったもの、それが胆石となるのです。

石があることと痛みにどのような関係があるのかと疑問に思うでしょう。食事を摂ると、それらを消化するために肝臓は胆液を作り、排出します。しかしこの時、石が胆管付近や内部で詰まってしまうと、周辺の筋肉が痙攣を起こしてしまい、それが痛みとなるのです。

また、横になったりというように、体勢を変えることで石が詰まることもあります。さらに、その痛みが別の神経を刺激し、脊髄に伝わると、背中のような別の場所で痛みが発生することもあるのです。そのため、人によって痛みが出る部位が変わってきます。

そして、石が存在しても、詰まるほど大きくなければ、特に痛みは感じません。そのため、石があるからといって、必ずしも痛くなるというわけではないのです。

胆石ができる原因とは?

胆石ができてしまう原因は、今のところはっきりとはわかっていません。しかし、食生活と密接な関わりがあると言われています。昔に比べると日本人の食事は、肉のような脂っこいものが多くなりました。胆石は、胆汁、コレステロール、ビリルビンが元になっているので、食事によってこの三つの成分のバランスが崩れてしまうと、胆石ができてしまうと言われているのです。

簡単に言えば、高エネルギー、高コレステロールの食事が、胆石の原因になってしまうということです。毎日のようにお肉や揚げ物、ファストフードなどを食べているという人は、注意するようにしましょう。

また、逆に栄養が少なすぎても、胆石ができてしまうことがあります。胆汁の成分が化学変化を起こし、結晶化してしまうためです。そのため、過剰なダイエットを行っている人も注意が必要です。

他にも、日本では少なくなってきましたが、細菌が原因で胆石ができてしまうこともあります。衛生状態が悪い環境で生活している人は要注意です。

胆石の症状は?

胆石の症状は痛みです。お腹から背中にかけて鈍痛が発生し、人によってはのた打ち回るほどの激痛がする場合もあります。また、発熱を伴うこともあり、様々な病気の中でも、辛い症状が出る病気の一つです。

胆石の際に生じる痛みは、食後三十分から一時間の間に発生することが多いです。これは食べたものを消化するために、肝臓が活発に動き始めるためです。このような発作のことを、疝痛発作と言います。

疝痛発作の際に、発熱と黄疸も発生してしまうという場合、胆石がもっとひどい状態になっている可能性があります。急性胆嚢炎、急性化膿性胆管炎、閉塞性化膿性胆管炎という病気が疑われるのですが、これらの病気は敗血症や多臓器不全を引き起こし、命を奪ってしまうことも多いため注意が必要です。

また、胆石でもほとんど痛みが発生しない人もいます。疝痛発作自体が発生しないのです。他にも、お腹や背中に違和感を覚える程度しか、疝痛発作を感じないという人もいるので、胆石の大きさや量によって、その痛みが大きく変わるという特徴があります。

胆石の治療方法は?

胆石を治療するためには、薬物治療、ESWL、手術という三つの方法があります。

まずは手術です。手術を行うかどうかの判断は医師が行うことになりますが、基本的には炎症の有無によって決まります。炎症が発生していると、再発する可能性が高いため、胆石を除去したほうが良いという判断になるのです。ただ、炎症が起きていなくても、その大きさによっては手術することもあります。

手術の方法は主に二つです。腹腔鏡下手術か内視鏡手術となります。胆石を摘出する場合は内視鏡、胆のうを摘出する場合は内視鏡という違いです。また、胆のうの炎症がひどい場合やガンの疑いがある場合、開腹手術が行われることもあります。

薬物治療は胆石を溶かすための薬を服用することになります。しかしこれでは、小さな胆石しか溶かすことができません。そのため、大きな胆石の場合はESWLという方法が取られます。

ESWLは体外衝撃波結石破砕療法のことで、体の外から衝撃はを当てて、石を砕く方法です。これにより、石を小さくしてから、薬を服用するという方法も多く行われています。

胆石にならないようにするには?

胆石にならないようにするためには、食生活を見直すことが重要です。毎日、お肉ばかりを食べているということであれば、野菜や青魚を中心とした、栄養バランスのとれた食事を摂るようにしましょう。そうすることで体内のコレステロール値を下げることができます。

また、生活習慣の見直しも重要です。特に肥満の人は、コレステロールが体外に排出される量が少なくなってしまいます。そのため、定期的に有酸素運動を行い、ベスト体重を維持することが重要です。

ただし、栄養が少なすぎても胆石になってしまうことがあります。そのため、過剰なダイエットは厳禁です。ダイエットをするのであれば、長期的に運動によって、体重を減らしていくという方法を取るようにしましょう。

すでに胆石になってしまったという人は、納豆やひじき、コンニャクのような食べ物がオススメです。これらは、コレステロールの沈着を防いだり、排出を助けてくれたりする効果があります。これ以上、胆石を大きくしないためにも、このような食事を摂るようにしましょう。