注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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手湿疹とは?

手に接触した物質やアレルギーが原因で生じる手のひらや指の皮膚炎のことを手湿疹と言います。日常的に水仕事を行う主婦や調理師、美容師などで多く起こり、手以外に症状が起こりません。特に主婦に多く発症するため、主婦湿疹と呼ばれることもあります。

手湿疹には2つのタイプがあります。

乾燥型

肌が乾燥して引き起こされる湿疹です。乾燥により肌がカサカサして、悪化するとひび割れなどの症状が発生します。乾燥しがちな冬に多い手湿疹です。

浸潤型

指や手のひらのいたるところに小さな発疹や水ぶくれができます。かゆみを伴うことも多いです。

手湿疹は水が冷たい冬や、汗をかきやすい夏に発症することが多いです。通常1シーズンで症状が治まることが多いですが、注意点もあります。それは、症状が急激に悪化したり、再発を繰り返したりする場合です。この場合、患部に細菌が入ってしまったことが考えられるので、早めの医療機関への受診をおすすめします。

手湿疹の症状とは?

次に、手湿疹の主な症状を3つご紹介します。

乾燥

乾燥により皮膚の水分が失われると、皮膚の中の水分をためる層である角質が剥がれ落ちます。すると手全体がカサカサして、ところどころ皮がめくれた状態になります。かゆみが強いのが特徴で、かくことによりさらに皮がめくれて症状が悪化します。乾燥が進むと、指のシワの部分や関節がぱくっと割れるひび割れが生じてしまいます。

ただれ

皮膚が赤くなり、盛り上がってかゆみを伴います。血がにじんでいたり、体液がもれてベタベタした状態になります。かくことでさらにただれがひどくなって症状が悪化してしまいます。

水ぶくれ

赤く盛り上がったぶつぶつとした小さな水ぶくれができます。水ぶくれのなかには体液が含まれており、潰れると患部がベタベタします。細菌は含まれていないので内容液によって患部が広がったりすることはありませんが、傷口から細菌が侵入すると患部が化膿したりしてしまいます。

治療法はありませすか?

手湿疹の主な治療法は塗り薬による薬物治療です。手湿疹の程度によって治療法が異なります。

軽度の場合

乾燥やかゆみなどが軽度の場合、手を保護することが重要です。そのために手に塗り薬を塗ります。

ワセリン

ワセリンは表面に膜を作って水分が蒸発するのを防ぐ効果があります。手に塗れば表面の水分を皮膚に止め、保湿する効果があり、乾燥の改善に役立ちます。さらに効果的に使うには、お風呂上がりなど水分が十分に含まれている状態でできるだけ早くワセリンを塗ることです。ただしワセリンには薬事効果はありません。

ハンドクリーム

ヘパリンや尿素などが含まれたハンドクリームを塗ると、皮膚の保湿効果がアップします。ただし尿素は染みる場合もあるため、使用には注意が必要です。

重度の場合

重度の手湿疹の場合、炎症が起きていることが多いです。なので、この炎症を抑えるために塗り薬を使用します。塗り薬にはステロイドが配合されたものを使用します。ただしステロイドは副作用もあるため、使用時には注意が必要です。

薬はどう選べばいい?

薬の選び方をご説明します。手湿疹が乾燥型か浸潤型かで選び方が異なります。

乾燥型

乾燥型は、保湿効果がある薬を選びます。低刺激のものの代表的なものがワセリンです。余分な成分が含まれていないため、純粋に保湿のみができます。保湿効果が高いものとしては、ヘパリン類や尿素が含まれたものを選びます。ヘパリン類似物質には保湿力と肌のバリア機能を改善し、新陳代謝を促す効果があります。また、炎症を抑える効果もあります。

尿素は角質を柔らかくする効果があります。柔らかくなった角質は水分保持能力が改善されるため、結果として保湿効果がアップします。ただし尿素にはタンパク質を分解する効果もあるため注意が必要です。重度の手湿疹で肌がボロボロの場合には、このタンパク質分解効果によって症状が悪化してしまう可能性もあります。

浸潤型

浸潤型の場合、ただれや水ぶくれなど炎症が生じている場合が多いです。なので、炎症を抑える効果があるステロイドが配合された塗り薬を使用しましょう。

手湿疹を予防するには?

手湿疹を予防するにはまずは日常生活で気をつけることが大切です。具体的な方法をいくつかご紹介します。

水仕事のときは手を保護する

皿洗いや掃除、料理のときなど、水を使う場合には手を保護するようにしましょう。方法としては、手に木綿の手袋をはめ、その上に水が浸入しないようにゴム製の手袋をはめます。こうすることで水が直接手に付くことを減らし、ダメージを防ぐことができます。止む終えず水を直接触る場合には、ぬるま湯にすると手湿疹を防ぐことができます。

手を洗ったあとはハンドクリームを塗る

乾燥が手湿疹の一番の原因です。手を洗ったあとはすぐにハンドクリームで保湿をしましょう。

低刺激のものを使用する

シャンプーや洗剤、ハンドクリームなどは、低刺激のものを使用するようにしましょう。皮膚の負担を軽くすることで、手湿疹になりにくくすることができます。

日頃の注意で手湿疹を防ぐことができます。繰り返す手湿疹にお困りのかたは試してみてください。