注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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クローン病とは?

クローン病は厚生労働省が定める特定難治性疾患、すなわち難病の一つで、比較的若年で発症することが多い原因不明の病気です。小腸や大腸に炎症を起こす病気を炎症性腸疾患と呼びますが、クローン病もそうした炎症性腸疾患のひとつです。

クローン病は、ニューヨーク大学のマウントサイナイ病院の内科医であったブリル・バーナード・クローンらによって報告された病気です。10歳から20歳に多く見られ日本での日本の患者数は約4万人以上、中高年での発症はほとんどありません。発症年齢は女性で15歳から19歳、男性では20歳から24歳が多く見られます。

世界中で研究が進められており、日々新たな治療方法が開発されています。新しい治療方法は高額なものが多いのも事実ですが、日本においてクローン病は特定難治性疾患に認定されているため、申請を行えば一定数以上の医療費は公費で賄われます。以下ではクローン病の原因や症状、治療方法について説明していきます。

クローン病の原因って?

日々最先端の研究がおこなわれているクローン病ですが、現在でもクローン病を発症する正確な仕組みはわかっていません。クローン病患者と血縁関係にある人は、クローン病になる確率がやや高いとされています。家族にクローン病である人がいたら、クローン病を引き起こすような食事や生活習慣は避けたほうが良いでしょう。

また海外の研究では糖質、国内の研究では脂質と糖質の過剰摂取がクローン病の原因なのではないかといわれています。若年層での発症が顕著で、欧米を始めとした先進国での発症報告が圧倒的に多いため、食生活において動物性蛋白質や脂質が増加したことが関係したとも考えられています。他の考えられる要因として、喫煙が上げられます。統計的に喫煙者はクローン病になりやすいと言われています。また喫煙によって治療薬の効果が下がったり、禁煙すると再発率が低下すると行った報告がされているため、クローン病の発症や悪化を予防するためにも禁煙することをおすすめします。

どんな症状が出るの?

クローン病は口から肛門までの消化器のあらゆる場所に炎症や腫瘍ができる病気です。炎症を繰り返すことで表面の粘膜が剥がれ落ち、粘膜の下の層がむきだしになる潰瘍という症状になることもあります。場合によっては腸に穴が空くこともあります。主に見られる症状としては、腹痛、下痢、痔、発熱、血便、体重減少といった症状が表れます。こうした症状が見られたらクローン病を発症している可能性がありますので、必ず医師の診察を受けてください。

クローン病では発症に伴って合併症を引き起こすこともあります。腸で炎症が繰り返されることで発症する狭窄や、潰瘍が進行することで発症する瘻孔、細菌感染して発症する膿瘍などが代表的ですが、関節痛や斑点などの症状が見られることもあります。子どもの場合は狭窄によって十分な栄養が得られなくなり、成長障害や骨粗鬆症などを発症することもあるので、特に注意が必要です。もし子どもにこうした症状が見られたら、すぐに医療機関で診察を受けましょう。

感染症と思われがち

クローン病の原因はまだわかっていません。遺伝的な要因が関係しているというもの、食生活の変化が影響しているというものとさまざまな研究が報告されていますが、未だ詳細はわかっていないのが現状です。細菌やウィルスによる感染症が関係しているという報告もありますが、これもはっきりと証明されてわけではありません。

自覚症状として腹痛や下痢、発熱や体重減少、嘔吐といった一見して感染症に近い症状が見られるため、クローン病は感染症と思われがちです。クローン病に似た病気とし感染症による腸炎があるため、病院ではツベルクリン反応検査や細菌検査、大腸内視鏡検査などが行われます。この検査で要請になった場合は感染症による腸炎ということになりますが、そうでない場合はクローン病が疑われます。このようにクローン病の症状に似た病気はいくつも報告されているため、こうした症状が出た場合は病院ですぐに検査を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。

治療方法は?

クローン病の治療は主に三つにわけられます。

栄養療法

一つ目は栄養療法です。クローン病になると炎症を繰り返すことで消化機能が低下したり、腸管が狭くなって消化ができないことがあります。そうするときちんと食事を取っていても栄養不足になりやすくなってしまいます。栄養療法は食事だけでは不足してしまう栄養を栄養剤で補給することで腸からのエネルギーや栄養の吸収を助けることを目的に行われる方法です。

薬物療法

二つ目は薬物療法です。クローン病は免疫システムの異常によって消化管で炎症が起きる病気なので、炎症を抑える抗炎症作用を持つ薬、または免疫二条を抑える免疫抑制作用を持つ薬を症状に合わせて使用します。

手術

三つめは手術療法です。クローン病には基本的に薬物療法でコントロールするのですが、症状が信仰して腸管の合併症が起こった場合は手術が必要になることもあります。狭窄や瘻孔、膿漏といった症状が見られる場合は手術になることが多いのですが、ほとんどは内視鏡での処置になることが多いようです。