注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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大腸がんとは?

大腸がんと一口に言っても、出来る部位には幅があります。食べたものはまず胃で消化され、そののち小腸を経て、次の臓器に移動します。小腸の次の臓器は、盲腸です。盲腸の後ろの器官は、順番に結腸、直腸、肛門となっています。

これら臓器のうち、盲腸から肛門に至る区間で悪性の腫瘍が出来ると、大腸がんと呼ばれます。これらの部位のうち直腸は、より細かい分類も可能です。盲腸が終わり、上方に向かって延びる部分を上行結腸と呼び、そこから横方向に延びる部分を横行結腸と呼んでいます。その後、下方に伸びる下行結腸を経て、結腸の終点であるS状結腸に到達します。S状結腸は、その名の通りS字型に蛇行しているパーツです。このように結腸部分は、方向や形状に従って4つの名前で分けられています。

これら直腸のそれぞれの部分で出来た癌も総称して大腸がんと呼んでいます。また、上行結腸がんや結腸がんや直腸がんなどの別個の部位の名を冠した呼び方でも呼ばれています。

大腸がんの初期症状とは?

大腸がんの初期症状は、便の変化に見られる事があります。初期症状の一つは、便が細くなることです。大腸内に癌が出来ると、異物が盛り上がってくるのでその部分が細く狭くなります。便はそこを通過してくるので、結果として便が細くなってしまうのです。

別の症状は、便が細切れになることです。大腸の中に異物が生じているので、便がそこを通過するときに細く細切れになるのです。この症状がより進むと、便はコロコロとした粒状の形になることもあります。大腸内に異物が増え、形がいびつになるため、そこを通過する便がより細かく割れてしまうのです。

また別の初期症状として、血便が出る人がいます。狭くなっている大腸の中を便が無理やり通過するので、消化管の内側が傷ついて出血するのです。そこを通過した便に血が付着して血便として出てきます。血便が出た際に、ただの痔と思い違いをしてしまうケースもあります。大腸がんの初期症状である可能性もあるので注意が必要です。

進んでくると現れる症状

大腸がんがより進んでくると、症状にも変化が現れます。トイレに行った後も、まだお腹の中に便が残っている感じがして、すっきりしないという症状に悩まされます。

別の症状は、お腹がパンパンに膨れるというものです。初期症状の段階でも、大腸内の便は正常時よりも通過しにくくなっています。これが悪化していくと、便やガスがいよいよ通過しにくくなり、その結果お腹が滞留しているガスのせいでパンパンになってしまいます。またこれと同じ理由でひどい便秘になることもあります。便を排出しようとする働きはあるものの、大腸部分で便がひどく渋滞してしまうのです。

慢性的な便秘がさらに進むと、より深刻な事態になります。それが、腸閉塞です。大腸がほぼ完全にふさがってしまうことで、便が完全に滞ってしまうのです。腸が閉塞すると、お腹に耐え難い痛みが走ったり、ひどい吐き気に襲われたりする事があります。ひどい便秘の場合、ただの便秘と放置せずに、大腸がんの可能性を考えてみるべきです。

大腸がんの検査方法とは

大腸がんの有無を確かめる主な方法は、便に血液が混じっているかどうかを確かめる検査で、便潜血検査と呼ばれています。大腸内のがんが悪化してくると、がん部分を通り抜ける便に血液が付着することがあるので、この方法がとられます。

大量に出血していれば、自分の目で見て確認する事が出来ます。しかし、この検査では、肉眼では発見するのが難しいごく少量の出血も見極める事が出来ます。大腸内で出血していてもそれが固まってしまえば、血の色は茶色に変色するので自分では気がつきにくくなります。それらもこの検査では見逃さずに発見できます。

別の検査方法もあります。大腸内に内視鏡を入れる検査方法です。この方法では、カメラを使って直接大腸内の病変部を探すことが出来ます。がんが出来ていても、必ずしも出血が始まるわけではありません。内視鏡を使うと出血していない病変部を見つけられることがあるのがメリットです。

大腸がんの治療方法

大腸がんの治療法は、病気の進行の程度によって異なります。内視鏡検査で小さな大腸がんが見つかったときは、その検査の際にがん部分を切除可能です。検査のついでに治療も完了してしまうので、患者さんに一番負担がかからない方法といえます。

がんがより大きい場合は、腹腔鏡を使った手術が選択肢になります。この方法ならば、お腹を大きく切る必要が無いので、術後の回復が早くなります。大腸がんのリンパ節への転移が疑われる場合は、お腹を開ける手術が必要です。病変部だけではなく、その周囲も切り取る事で、それ以上の拡大を防ぐことを目指します。

大腸がんが他の臓器にも転移しているときは、放射線を使った治療や化学療法などが選択肢になります。大腸がんの切除に成功した場合でも、他の臓器への転移の可能性が考えられるときは抗がん剤を使用することがあります。抗がん剤治療を所定の期間実施し、転移が認められなければ治療はひとまず終了になります。その後は定期的な検診へと移行します。