注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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そもそも血圧って?

「血圧」とは読んで字のごとく、血管内の血液の圧力のことです。心臓から送り出された血液が、動脈の壁を押し拡げる力で、それが高い状態を高血圧、低い状態を低血圧と呼びます。圧力なので血管がやわらかければ血の流れる勢いが強くても血圧は低くなりますし、血管が硬ければ血圧は高くなります。血圧は女性よりも男性の方が高く、若い方よりも高齢の方の方が高くなる傾向になりますが、これは血管の硬さによるものです。

一般的には動脈を流れている血の圧力を呼び、心臓の収縮期と拡張期の血圧のふたつの数字で示されます。非専門用語では血圧の「上」と「下」と言われているのがこの数字です。現代のヒトの正常な血圧の範囲は上が130mmHg以下、下が85mmHg以下程度だと言われています。

この「上」とは心臓が血管に対して血液を送り出すときの力で医学用語では「収縮期血圧」と呼ばれています。逆に「下」は血管から心臓へ血液が入って来るときの勢いになり「拡張期血圧」と呼ばれます。

低血圧ってどんな状態?

それでは、低血圧とはどのような症状のことをいうのでしょうか?実は低血圧には医学的な定義はありません。血圧測定の収縮期血圧、つまり「上」が100mmHgを下回っている状態のときに出ることの多い症状の総称として呼ばれています。

全身の血圧が下がった状態なので、体のすみずみまで心臓は新鮮な血液を送ることが出来ず、そのためさまざまな障害が体には引き起こされます。これは一概によってどんな症状が起きるとは言えず、目眩や失神、吐き気や頭痛などが起こるケースが多いようです。また、冷えや便秘などの原因にもなっていると言われています。

ちなみに高血圧の定義は上が140mmHg以上、下が90mmHg以上と定義されています。高血圧には正確な定義が設定されているのに、低血圧にそれがないのは、高血圧が人命に関わるような病気の原因となることが多いのに比べて、失血などによるもの以外では低血圧が直接的、間接的にひとの死因となることがないからでしょう。

年齢別の血圧平均値

それでは、年齢別の血圧の平均値をみてみましょう。血圧は若い方が低く、年齢が上がれば上がるほど高くなっていく傾向があります。また性別によっても変わりますが、ここでは女性をメインにみていきます。

20代では上が113mmHg、下76mmHg程度が平均だとされています。

30代になると、上が115mmHg、下が77mmHgとなります。ほとんど20代の女性と差はありません。

これぐらいの年齢の女性では、体調が悪いとずっと思い続けていて、血圧を測ってみたらかなり低い数値だったということがままあります。

40代では上が125mmHg、下が77mmHgと幾分、上の数字に上昇がみられます。

50代では上133mmHg、下81mmHgと20代と見比べるとかなり上がってきます。

この年代になると女性であっても、またそれまで低血圧であったケースでも高血圧の症状が出ることがあるのですが、そうした場合には注意が必要です。血管が高い血圧に慣れていないため、切れてしまう可能性が高くなってくるからです。

低血圧の症状とは?

低血圧の症状には様々なものがあります。

めまいや立ちくらみというのが最も多くの方の感じられる症状ではないでしょうか。これは起立性低血圧と呼ばれ、急に立ちあがったり、動いたりしたときにそれまでは下半身に流れていた血液を上半身に押し戻すちからが弱いため、脳の血圧が下がってしまって起きる現象です。

頭痛やかたこりも低血圧が原因であるケースは多々みられます。血圧が低いということは血流が滞っているということ。脳への血流が悪く安定しないため、頭痛の原因になっていると言われています。また筋肉への血液の流れ、つまり酸素の供給も悪いため、筋肉の疲労が取れにくく筋肉が強張ってしまってかたこりを引き起こしてしまいます。

動悸や息切れも同じような原因で発生します。全身に血液が本来運ぶべき酸素が行き渡らず、息苦しさを感じます。

特にその症状は体の末端でよく起きるので、手脚の冷えを感じられる方もいらっしゃるでしょう。

その他、集中力の低下、不眠、疲れやすさなどの症状も低血圧の症状としてしばしば挙げられます。

低血圧の改善方法とは?

低血圧への対処ですが、実は医療品などでの対処がほとんど出来ません。怪我や手術などで出血した際に使用する薬などはあるのですが、一般的には販売されているものではありません。ただし、上が50mmHgや60mmHg程度の極端な低血圧の場合には処方されるケースもあるようです。

そのため、薬物治療などではなく生活習慣を改めることによって対処するケースが多くなっています。

まずは規則正しい生活と、長時間の睡眠をとるようにしましょう。なるべく7時間以上の睡眠をこころがけてください。

それから食生活を改善するというのも低血圧には有効な対処法です。

朝食を抜くことは避け、午前中を活動するためのエネルギーを経口で体に与えることが大切です。食事を作っている余裕がない、という場合は野菜ジュースや果物などでも対応できます。また高血圧の対策として塩分の摂取を控える、というものがありますが、低血圧の場合、その逆に塩分をきちんととるということも大切です。