注意:この記事は医師による監修を受けておりません。ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用ください。

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排卵日とは

排卵日とは卵巣の中で成熟した卵子が排出される日のことを指します。卵胞が成熟するとエストロゲンの分泌量が増加して子宮内膜が分厚くなります。その後は卵胞の大きさやエストロゲンの分泌量が十分な状態になると、脳下垂体に大量の黄体ホルモンが分泌されて排卵が促さて、排卵日に排卵が行われます。そして排卵された卵子は卵管を通過して子宮へ向かいます。

排卵が起きる正確な日付を特定することは困難ですが規則的な生理周期が28日なので、通常は次の生理予定日の14日前が排卵日だと考えられています。そして2013年に行われたアメリカ生殖医学会の発表では、排卵日の5日前から排卵日当日の6日間がもっとも妊娠しやすい期間とされています。

排卵日をチェックする方法のひとつが「オギノ式」であり、基礎体温を毎日測ることで大まかな排卵日を予測します。また「頸管粘液検査」では、頸管粘液と子宮頚部から分泌される粘液の変化を見ることで排卵日を予測します。そして「排卵検査薬」は、尿に含まれる黄体ホルモンの量をチェックすることで排卵の時期を調べます。

このように排卵日は妊娠を計画している女性にとって大切な日です。しかし個人差はありますが、排卵日の前後は女性にとって不愉快な様々な体調不良などを発症する場合があります。

排卵日の腹痛の原因

月経期以外で下腹部に痛みを感じた場合は、それが生理開始から二週間ほど経った時期だったら排卵痛が原因だと考えられます。排卵の際には、ホルモンの作用によって卵巣内で復数の原始卵胞が作られます。その中から1つだけ選ばれた優秀な卵胞だけが成長していきます。成長を続けた卵胞が成熟すると、その中から卵子が排出されます。その際にいくつかの原因により腹痛を感じる場合があります。

卵巣の腫れ

原因の1つが卵巣の腫れです。排卵後の卵巣に黄体が残留すると、その影響で卵巣が腫れる場合があります。卵巣が腫れると、お腹の張りや痛みなどの症状を感じる場合があります。

黄体ホルモンの増加

そして2つ目の原因が黄体ホルモンの増加です。排卵後は受精卵を育てる役割を担った黄体ホルモンという女性ホルモンの一種が大量に分泌されます。その影響で腸の働きが鈍くなり腹痛が起きる場合があります。

卵巣での出血

そして3つ目の原因が卵巣での出血です。卵巣から子宮が排出される際に、卵巣の壁に傷がついて少量の出血が起きる場合があります。珍しいことではないので心配いりませんが、その出血量が通常より多いと腹痛を感じることがあります。

排卵日前後の症状

排卵日の前後には様々な症状を発症しますが、個人差が大きいためとても深いに感じる方がいる一方でとくに症状を感じない方もいます。しかし症状が強いと身体の各所に痛みを感じる場合があり、そうした症状を「排卵痛」と呼びます。

主に下腹部の痛みや頭痛、腰痛などの症状が現れます。下腹部に感じる痛みや違和感などの症状は生理痛とよく似ており、生理痛と間違われることがあります。また痛みを感じる場所が月ごとに変わる場合があります。

そして頭痛の場合は片頭痛と似た症状を発症します。排卵日付近になると女性ホルモンのエストロゲンが減少ますが、その影響でセロトニンも減少することが片頭痛を引き起こすと考えられています。腰痛に関しては下腹部の痛みと同様に生理痛によく似た症状で、腰回りに痛みを感じます。

また、排卵日の前後に黄体ホルモンの分泌量が増加する影響で、強い眠気を感じる場合があります。昼間も眠気が抜けないなど、一日中眠気や身体のだるさなどの症状を感じることがあります。

それ以外にも排卵の際に卵子が卵巣の壁を傷つけることで出血する「排卵出血」が起きる場合があります。通常は3日程度で回復する軽い症状ですが、一週間以続く場合は他の病気が原因で起きる不正出血の可能性もあるため注意が必要です。

排卵痛と生理痛の違い

生理(月経)とは着床に備えて分厚く変化した子宮内膜が剥がれ落ちて排出される症状であり、子宮内膜を剥がす際に起きる子宮収縮が原因で感じる身体の痛みが生理痛です。お腹や腰に痛みを感じるなど、排卵痛と生理痛はその症状がよく似ています。

そのため排卵痛を生理痛だと思ってしまう女性も少なくありません。しかし、排卵痛と生理痛を区別する上で役に立つ大きな特徴の違いがあり、それが2つの症状を感じる時期の違いです。

生理痛が起きるのは月経期であり、その時期に「プロスタグランジン」という子宮収縮を促すホルモンの分泌量が増加してホルモンバランスが崩れた場合に感じる症状です。しかし排卵痛は排卵期に起きる症状なので生理痛とは時期が重なりません。生理周期には個人差がありますが、一般的には次回の生理予定日の二週間ほど前に排卵が起こります。そのため月経期の前後に痛みを感じた場合は生理痛が原因で、排卵日の前後に痛みを感じた場合は排卵痛がその原因だと考えられます。

排卵痛の対処法

排卵痛の対処やその予防に役立つ方法のひとつが、身体を温める作用を持った食品の摂取です。生姜やネギ、大豆や黒ゴマなどの身体を温める作用を持つ食品を食生活に取り入れて身体を冷やさないようにすることが大切です。とくに大豆に含まれているイソフラボンは女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似た作用を持つことで「植物性エストロゲン」とも呼ばれる物質なので、排卵後に減少したエストロゲンを補う効果を得られます。こうした食品を取りいれながら、白砂糖やコーヒーなどの身体を冷やす作用を持つ食品の摂取を控えることで身体を温めて冷え症を改善することで排卵痛の症状を緩和できます。

ウォーキングやストレッチといった適度な運動を行なうことによっても、骨盤付近の血流を改善する効果により排卵痛の症状を抑えることができます。また精神面の影響も大きく関わっている症状なので、排卵日付近にはストレスを溜めないように工夫することが大切です.好きな音楽を聞いたり買い物をするなど楽しい時間を過ごすことが大切です。散歩などの軽い運動もリラックス効果を得られるため排卵痛の対処に役立ちます。

そして、様々な対処方法を試しても効果がみられず、我慢できないほどに症状が重かったり出血量が多い場合などは病院へ行きましょう。そうした時間が無い場合には市販の薬を利用することでも症状を緩和できますが、症状の原因に思いもよらない病気が関わっている場合もあるため、なるべく無理をせず医師に相談することが大切です。